機能や動作が完結するアプリ

Android Wearを使っていて、どうしてももどかしいのが、閲覧系の機能までは手元でこなすことができるが、そこから先の機能を使おうとすると、端末へと飛ばされる点だ。もちろん、大きな画面や快適な文字入力など、端末を取り出すメリットは少なくない。しかしだったらはじめからスマートフォンを取り出す今までとあまり変わらない。

これはアプリのラインアップの問題として、今後解決されていくかもしれないが、一度始めた動作をシンプルに片付けられるところまで、腕のディスプレイで済ませたいというのが本音だ。G Watchは1.65インチのディスプレイしか備えていないことから、複雑な作業をこなすほどの広さとは言えない。

このあたりが、どうしても、ウェアラブルデバイスとしての便利さが中途半端なままになってしまっている原因だろう。もしAppleがより大きめのディスプレイを備えるウェアラブルデバイスを出したとしても、起こりえる問題だ。腕のディスプレイでフルサイズのアプリを動作させることは、おそらくできないからだ。

アプリの1つの機能をウェアラブルデバイス内で完結させたり、小さな画面向けに機能を切り出して活用できるようにする仕組みがあると、スマートフォンで使っているアプリとの連携でウェアラブルデバイス自体の役割が明確になることが期待される。単機能を完結させる使い勝手を実現することが、アプリにとって重要だ。

前述のSiriに加えて、iOS 8で返信等が可能になった通知機能は、その1つの活用方法として有望だ。

メッセージへの返信、友人のFacebookポストへのいいね、Twitter返信やリツイートなど、タッチ操作や短い文字入力を伴う、プッシュ通知を受けたリアクション的な操作を腕でこなせると、前述の単機能の簡潔や、デバイスの役割が定着する助けになりそうだ。

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iPhoneは現在の4インチから4.7インチ、あるいは5.5インチへと拡大しようとしている。画面が大きくなればより見やすくなる反面、取り扱いにくくなることも事実だ。5.5インチのファブレットは、耳に当てたり、片手でフリック入力できるのか、という不安がある。

スマートフォンそのものの体験は向上するが、モバイルを活用する生活全般を見渡すと、大型のスマートフォンによって、軽快さが失われるかもしれない。Appleのウェアラブルデバイスは、こうした部分を補う役割を果たしてくれるようになるのではないか、と期待している。