さて、両製品の性能をベンチマークで計測してみよう。計測環境は、Core i7-4790K+Intel Z97マザーボード(MSI Z97M GAMING)、メモリがDDR3-1600 8GB×2、システムSSDにはOCZのAgility 3 256GB(AGT3-25SAT3-256G)、OSにはWindows 8.1 PRO Update 64bit版を用いている。
CrystalDiskMark 3.0.3b
CrystalDiskMarkの計測方法だが、ここではデータ転送サイズを50MB~4GBまで切り替え、ランダムデータと0Fillデータそれぞれ、すべて各5回ずつ計測している。まずグラフを見ていただければ分かるとおり、ランダムデータと0Fillデータで転送速度に差が生じないのはMarvell製コントローラの特性だ。その上で、2つの製品とも、Overall・IOPSというどちらのテストにおいても、データ転送サイズによる値の変動が比較的小さい。クセの少ない万能型の製品である。
個別に見ていこう。まずSATA 3.0接続のPX-256M6Sの最大転送速度は、シーケンシャルリード時で502.492MB/sec、シーケンシャルライト時で432.759MB/secとなった。CrystalDiskMarkは、最近の傾向としてはそのSSDの公称転送速度よりもやや低い値となる。そのためこのスコアは特に悪いものではない。むしろリードで500MB/secを超えているからSATA接続としては十分と言える。
IOPS値は4K QD=32時でリードが92KIOPS、ライトが82K6IOPS。こちらも公称値よりもやや低いが、各ツールのテスト方法による違いもあるので、間違った値というわけではない。
つぎにM.2接続のPX-G256M6eの最大転送速度は、シーケンシャルリード時で720.341MB/sec、シーケンシャルライト時で578.206MB/secとなった。ポイントは、約720MB/secという、SATA 3.0の帯域を超えた転送速度だ。また、ライト側の578MB/secという値も、600MB/secには届いていないが、CrystalDiskMarkのスコア傾向から見て、SATA 3.0接続では通常引き出せない値と言える。
このように、シーケンシャルリード、シーケンシャルライトともに、M.2接続のPX-G256M6eの方が断然速い。ほかにも、512Kや4K QD=32でもPX-G256M6eが勝っている。より高速なSSDを求めるならば、PX-G256M6eの方がよい。
ただ、ひとつ注意点を挙げると、PX-G256M6eはスコアにブレが生じやすい印象だ。例えば4GB-Random時の4K QD=32ライト時の値は、最大が358.266MB/sec、最小が267.037MB/secと、100MB/sec近い差が生じていた。今回のグラフは、製品の最高転送速度を見るために、最頻値を算出したうえであまりにもかけ離れた値を除外し、その上で平均をとっているためこのようになったが、単純に平均をとるともう少し低くなる。
M.2のPCI Express接続製品は、まだ市場に登場して間もない。新しいコントローラ、そしてそのコントローラ用のまだ世代の若いファームウェアが組み合わされている。もう少しノウハウが蓄積されるまでは、こうしたブレが生じる可能性も考慮する必要があるだろう。逆に十分に枯れたチップ・ファームウェアを用いているPX-256M6Sはブレが少なかった。