AS SSD Benchmarkのファイルコピーテストは非常に優秀

今度は、SSDに特化したベンチマークソフト「AS SSD Benchmark 1.7.4739.38088」を利用して、パフォーマンスを計測してみた。転送速度の測定では、シーケンシャルリードが505.26MB/s、シーケンシャルライトが490.45MB/sとなり、CrystalDiskMarkよりもリードは高速な結果が出ている。IOPSの測定では、4K-64Thrdのリードが88,602、ライトは74.428となり、こちらもリード、ライトともに優秀だ。

転送速度計測結果

IOPS計測結果

次にファイルコピーテストの結果を見てみよう。AS SSD Benchmarkには、巨大な単体ファイルのコピーを想定した「ISO」、小さなファイルを多数コピーすることを想定した「Program」、さまざまな大きさのファイルが混在した場合のコピーを想定した「Game」という、3種類のファイルコピーテストが用意されている。

Radeon R7のファイルコピー時の転送速度は、ISOが361.28MB/s、Programが212.57MB/s、Gameが287.55MB/sとなり、コピーにかかった時間はそれぞれ、2.97秒、6.62秒、4.80秒となった。

ファイルコピーテスト結果

どのコピーテストも優秀だが、特に、本製品がメインターゲットとして想定しているGameにおける結果は、Samsung SSD 850 PROよりも高速だ(同テスト環境でのSamsung 850 PROのGameの転送速度は244.22MB/s、時間は5.65秒)。ゲームのインストールや起動などは、現時点で最速クラスといえるだろう。

さらに、コンプレッションベンチマークを計測した。コンプレッションベンチマークは、圧縮が効かないまったくのランダムデータから同じ値が続く圧縮しやすいデータへと、連続的にデータ構成を変えて転送速度を計測するテストである。

書き込み時にデータ圧縮を行うSSDでは、グラフが右肩上がりの曲線となるが、Radeon R7の場合はグラフがほぼ水平になっており、データの圧縮のしやすさに関わらず、性能が安定していることが分かる。

コンプレッションベンチマーク結果

ATTO Disk Benchmark 2.47の結果は公称値を上回る

最後に「ATTO Disk Benchmark 2.47」を利用して、転送速度を計測してみた。ATTO Disk Benchmark 2.47は、公称値を達成しやすいテストであるが、Radeon R7は転送サイズ8MBのリードが557.948MB/s、ライトが533.315MB/sと、リード、ライトともに公称値を上回る値が出た。

Radeon R7のATTO Disk Benchmark 2.47の結果

快適な環境でゲームをしたい人にお勧めの製品

Radeon R7 SSDは、AMDが初めて販売するSSDだが、SSDメーカーとしては老舗の一つであるOCZのOEM製品だけあり、性能、耐久性ともに高いレベルにある製品だ。AS SSD BenchmarkのファイルコピーテストのGameにおける性能は、他社のエンスージアスト向けSSDよりも上回っており、特にゲーム用途に特化したチューニングが行われていると推測される。

耐久性や保証期間についても、メインストリーム向けSSDとしてはトップクラスであり、ヘビーゲーマーでも安心して利用できる。CPUやGPUの性能は十分でも、ストレージがHDDなので、ゲームの起動に時間がかかるという不満を持ったPCゲーマーも多いことだろうが、そうしたユーザーには特にお勧めしたい製品だ。また、CPU、GPU、SSD、メモリのすべてをAMD製品で統一したマシンを作ってみたいという、AMDファンにとっても待望の製品といえる。