CrystalDiskMarkではシーケンシャルリードはやや伸び悩む
Radeon R7 SSDは、AMDが初めてSSD業界に参入した製品であり、ゲーマー向けSSDという位置付けもユニークだ。Vertex 460をベースに改良が施されているので、その性能も気になるところだ。そこで、そのパフォーマンスを検証していきたい。
テスト環境は以下の通りである。今回は240GBモデルを試用している。
CPU | Intel Core i7-3770K(3.50GHz) |
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M/B | GIGABYTE GA-Z77X-UD3H(Intel Z77 Express) |
メモリ | DDR3-1600 4GB×2 |
グラフィックスカード | ELSA GLADIAC GTS 250 |
HDD(System) | Westren Digital WD10EADS(1TB) |
OS | Windows 8.1 Pro Update 64bit |
まずは、定番の「CrystalDiskMark 3.0.3b」の結果から見ていこう。Radeon R7 SSDのシーケンシャルリード速度は481.1MB/s、シーケンシャルライト速度は494.7MB/sとなった。公称値に比べると、シーケンシャルライトはかなり近い値が出ているが、シーケンシャルリードはやや低めとなっている。
何度か計測し直してみたが、結果はあまり変わらなかったので、ベンチマークとの相性の可能性もある。ランダムライト性能は、4K QD32ランダムライト速度は354.2MB/sと、トップクラスだ。
データとしてすべて「0」を書き込む0Fillでも計測してみたところ、シーケンシャルリード速度は435.6MB/s、シーケンシャルライト速度は495.2MB/sであり、通常(ランダムデータ)の結果と比べて、リードはやや低下しているが、ライトはほとんど変わらなかった。SSDによっては見かけの性能を上げるために、書き込みの際にデータを圧縮してから書き込む製品もある。
そうした製品では、ランダムデータよりも0Fillのほうがライト性能が向上するのだが、Radeon R7 SSDは、ランダムデータでも0Fillでもほぼ結果が同じであり、書き込み時にデータ圧縮処理をしてないということになる。つまり、どのようなデータでも安定した性能が得られるわけだ。
HD Tune Pro 5.50でのテストも優秀
次に、「HD Tune Pro 5.50」を利用して、より詳細なテストを実施してみた。HD Tune Proではディスク全域にわたるテストが可能である。結果は下に示した通りで、Radeon R7のリード速度は全域にわたってほぼ一定であり、平均速度は302.0MB/sとなった。
ライト速度は、定期的に大きく低下しているのが気になるが、平均速度は358.3MB/sであり、パフォーマンス自体は優秀だ。CrystalDiskMarkの結果に比べると速度は低くなっているが、このテストは他のSSDでも速度が遅く出る傾向があるので、妥当といえる。
ファイルベンチマークの結果は、シーケンシャルリードが477,295KB/s、シーケンシャルライトが481,201KB/sであり、IOPS値は4KBランダム(QD32)のリードが90,373、ライトが92,007となり、ランダムリードのIOPS値は公称以上となっている。
さらに、ランダムアクセステストを行ったところ、転送サイズランダム時の平均リード速度は475.915MB/s、平均ライト速度は464.025MB/sと、優秀な結果となった。