新モデルのコンセプトは3つ

発表会の冒頭、日本ヒューレット・パッカード プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括 プリンティング事業統括本部 統括本部長の島田昌彦氏が登壇して新モデルの概要を説明した。HPが初めてインクジェット製品を発売したのは1984年。今年で30周年を迎える。島田氏は「いかにお客様のニーズに応えていけるか。今後も、新たな歴史をつくっていきたい」と意気込んだ。

登壇する島田氏(写真左)。HPのプリンタが発売された1984年から数えて、今年で30周年となる

日本HPではユーザーニーズの変化を読み取り、商品の開発に活かしている。2014年秋冬モデルのコンセプトは「スマートフォン・タブレット印刷の強化」「仕事にも使える」「プリントヘッド一体型インクの強化」の3つ。スマートフォン・タブレットの普及率が上昇する一方で、スマートフォンから直接印刷できるプリンタ/複合機があることはあまり知られていないという。同社の調べでは、その認知度は40%にとどまっているとのこと。

島田氏は「特に女性の7割が、スマートフォンから直接印刷したいと回答している。メーカーとして、利用者の潜在的なニーズをもっと引き出していきたい」と語った。具体的には、地図やクーポンをスマートフォンから気軽に印刷する、などの利用シーンを想定しているようだ。

2014年秋冬・新モデルのコンセプト(写真左)。日本HPでは「新基準スマートフォン・タブレット印刷、HP。」をキーワードに、新モデルを訴求していく(写真右)

加えて、ここ数年の「在宅ワーカーの増加率」にも着目している。国土交通省の調べでは、2012年には930万人もの人々が在宅ワーカーとして働いているという。島田氏は「在宅ワーカーは今後、ますます増えていく見込み。したがって、趣味の印刷と仕事の印刷がどちらも行えるプリンタ/複合機のニーズが必ず増える。そこで日本HPでは、家庭用・仕事用の明確な境界線を設けず、どちらの用途でも利用できるプリンタ/複合機を提案していく」と狙いを説明した。

今後ますます増える在宅ワーカーに着目。趣味の印刷と仕事の印刷がどちらも行えるプリンタ/複合機を提案

インクカートリッジに関しては「1色だけ切れても印刷が停止する」「頻繁に買い足さなくてはいけない」などの利用者の不満の声が寄せられている。これを解決する方法として、日本HPでは「プリントヘッド一体型インク+シングルカートリッジモード」を提案する。これにより、例えば黒インクだけでも印刷が継続できる。また、ランニングコストを低く抑えられるなどのメリットも実現できるという。

プリントヘッド一体型インク+シングルカートリッジモードで、利用者のプリンタ/複合機に対する不満を解消する