スマートフォンは個人のポケットやカバンに入り、密着して使う道具として普及を続けている。こうした状況を下敷きにして、AppleはiOS 8で新たな家族の関係性を構築しようとしている。今回は新たに対応する家族での共有について、ご紹介する。

家族とスマートフォンの問題解決

Appleをはじめとするモバイルプラットホームを持つ企業は、米国、日本などの国々で、子どもによる誤課金に対する対策が求められている。

例えばAppleは、米国内でApp Storeやアプリ内課金で、未成年が保護者に無断でゲームやアイテムを購入してしまったとして、返金を求める裁判が起こされていた。2014年2月に和解が成立し、Appleは34億ドルを超えるとみられる返金に応じた経緯がある。

親に無断で購入しないようにする方法が求められており、例えば子どもの前では4桁の数字のパスコードではなくTouch IDだけでロック解除やパスワード入力を行うようにすることでも、パスワードを知られないようにし、誤課金は防ぐことができるようになる。しかしこの対策も完璧ではない。

Touch IDはパスワードが知られないようにするための手立てだが……

また日本では子ども向けのケータイだけでなく、GPS内蔵で紐を引っ張ると大きなアラーム音を鳴らすことができる端末も用いられている。親のケータイからは、子どもの現在位置やアラーム鳴動の有無などを調べることができ、子どもの見守り用として使われているが、子どもは親と同じような端末を使いたいため、こうした端末で満足してくれる期間も短いだろう。

かといって子ども全員に新品のスマートフォンを買いそろえるのも、これを維持するにも大きなコストがかかる。子ども本人の安全面と、誤課金を防ぐという面、そして料金の面といった問題点を解決し「家族でiPhone」という状況を世界で作り出せるだろうか。