メモリからボード端までの間には、「OC Touch」と呼ばれるオーバークロック用のボタンが並んでいる。CPU倍率の変更やUEFI BIOS切り替え、電圧チェックなど、ここでは紹介しきれないほど多数の機能を備えるが、最もOCシリーズらしい特徴的な機能は「OC Ignition」だろう。これはシャットダウン中でもマザーボードおよび接続しているコンポーネントに電源を供給し続ける機能だ。極限までのオーバークロックを狙う人はもちろんのこと、液冷キットの準備や電飾パーツのテストといった用途にも役立つのではないだろうか。

メモリはDDR3対応の4スロット構成。DDR3-3300までのメモリに独自に対応しているので、XMP準拠の製品はもちろん、自分でメモリの「オーバークロックも楽しめる

右端に見える稲妻マークのボタンが、シャットダウン中でも電源供給する「OC Ignition」。PCI-Expressやメモリスロットを個別にハードから切り離せるスイッチも確認できる

手前にテスターなどを使用して直接各電圧を測定できるモジュールが確認できる。その他、CPU倍率やBCLKの変更、起動・BIOS関連のボタンが並ぶ

常用も視野に入る汎用性の高い各種端子とスロット構成

リアパネルには、USB2.0×4ポート、USB3.0×4ポート、PS/2ポート、HDオーディオ端子、光音声出力、ギガビットLANポートが用意されている。また映像出力端子として、DVI-D、VGA、HDMI、Displayportの4端子を装備。OCモデルながらも非常に多彩な端子が取り揃えられており、大抵のデバイスは接続可能だろう。

LANコントローラには、安定性で定評のあるIntel製が採用されている。拡張スロットは全部で7本となり、PCI-Express x16を4スロット(内1つはx8、内2つはx4動作)、PCI-Express x1を1スロット、PCIを2スロット。こちらも新・旧デバイス両方に対応が可能な構成だ。

またNVIDIA SLIやAMD CrossFireなどのマルチグラフィックスを構築した際に供給電力が不足しないよう、6pinの補助電源コネクタ「OC PEG」も備えられている。接続せずとも問題なく動作するが、複数枚のグラフィックスカードを取り付ける際はシステムの安定性向上のためにも利用することをお勧めしたい。下段のPCIスロット部分には、GIGABYTEお得意の「Dual BIOS」が確認できる。片方のBIOSが不安定になったり、別の設定を試したいときに簡単にBIOSを切り換えられ、万が一不具合が起きたときは復旧にも利用できるDual BIOSは、オーバークロック時に一層重要性が増す機能だ。

マザーボードのリアパネル端子。一般モデルと比べても多様な端子が取り揃えられており、オーバークロック検証を行わないときも便利に使えるだろう

PCI-Express x16スロットの左にはLANコントローラが確認できる。安定した速度と低消費電力で人気の高いIntel I-217Vを採用

拡張スロットにはPCI-Expressのほか、PCIスロットを搭載。リアパネル同様、新・旧スロットを織り交ぜた柔軟な接続が可能な構成だ

PCI-Express x16スロット上部に設置されている6pin電源コネクタが「OC PEG」。拡張スロットへ安定した電源を供給することが可能

将来を見越したSATA Expressコネクタと通常サイズのUSBプラグ

ストレージ用端子にはSATA3.0端子のほか、Intel 9シリーズの目玉のひとつであるSATA Expressコネクタを搭載している。10Gb/sでのデータアクセスが行えるため、SATA3.0規格の上限である6Gb/sで頭打ちになっているストレージ環境をさらに改善できるだろう。現在はまだSATA Express対応製品は市場に出回っていないのが残念だが、将来的に活躍してくれるコネクタとなるだろう。

ストレージ用端子の横には、通常サイズとなるUSB Aメスプラグが搭載されている。これは、マザーボードをケースに収めずにバラック状態で使用するユーザーの使い勝手に合わせて用意されたもの。もちろん通常の内部増設用端子である9ピンのUSB2.0端子や、19ピンのUSB3.0端子も備えているので、ケースを利用する人も安心してほしい。サウンドチップは、再生時のSN比115dB、録音時のSN比104dBを実現したRealtekの「ALC1150」。600Ωのアンプも内蔵しており、高品質ヘッドフォンをしっかりとドライブできる。

ストレージ用端子として、SATA3.0とSATA Expressを用意。その横には、通常の外付けUSB端子が2つ設置されている。ケース内に収めずに動作検証する際に便利だ

オーバークロックモデルながらも、オーディオ機能に妥協はない。最新のサウンドチップである「Realtek ALC 1150」を搭載し、ヘッドフォンアンプも内蔵している

オーバークロック時の検証に便利な多数の機能を備えるだけでなく、通常使用時にも満足できる多数のインターフェースと高品質なパーツを使用した「GA-Z97X-SOC」。次ページでは、実際にIntel Core i7 4790Kをオーバークロックし、その性能の違いを確認してみよう。