アップルもGoogleも、自社のOS・端末が拡大し、世界に広がっていることをアピールする。スマートフォンは、すでに「ハブ」としての機能を持ち始めており、さまざまな機器に接続しようとしている。そこに搭載されているOSは、そのままスマートフォンと同じ方が都合がいい。
そして、ハブとなるべきスマートフォンとともに、常に身につけるウェアラブル製品、毎日の測定が必要なヘルスケア製品を組み合わせた健康関連の製品は、先進国(特に米国)では大きな注目を集めている。それに最適なソリューションを提供するのは、当然の流れではある。市場性やサードパーティーの製品の開発状況ももちろんタイミングには影響するし、BLEのような技術的な動向も影響する。
その意味で、両社のタイミングが一致したのは自然な流れだ。逆に言えば、両社がこの方向性を示したことで、市場の動向もその示す方角に進むことになるだろう。
車載向けも同様だ。単に両社が方向性を示しただけでは意味がないので、関連業界の動きがポイントとなり、そのタイミングが一致して、今回の両社の発表につながったのだろう。
AndroidにせよiOSにせよ、「革新的」ではないが、未来の方向性を示したという点で、大きなイベントではあった。デバイスとしては、Android WearやAndroid TVの発表があった点で、Googleが先行した。しかしアップルの真価は、基本的に後出しにあるので、この次に発表される、「スマホ以外」の製品が、市場の動向を決定づけるかもしれない。
例えばAndroid Wearは、それが腕時計である必然性や腕時計として使いたいと思わせるデザイン性とか、ちゃんと検証されているのか。逆に言うと、それが検証できなければ、アップルは腕時計型ではない、別のデバイスを投入することも考えられるだろう。
今年は、そうした新たなデバイスによる新たな世界観のスタートの年、といえるかもしれない。