今回の発表ではテレビとしてAndroid TV、腕時計としてAndroid Wear、車載器としてAndroid Autoが紹介された。さらに、PC向けのChrome OSでは、Androidアプリが動作する仕組みが用意されたことで、Chrome OS搭載PCにもAndroidが拡大することになる。
マテリアル・デザインやARTといった取り組みは、こうしたAndroidの世界観の拡大に繋がっているのだろう。Androidがスマートフォン・タブレットだけでなく、家庭のさまざまなエリアに進出していくのが目的だ。
身につける腕時計、リビングのテレビ、車の中とAndroidが拡大することで、ユーザーとしては、常に同じUIで、常に同じデータを、同じ使い勝手で利用できる。音声検索・操作が強化されることで、操作方法が限られるテレビや車載器でも使い勝手を高めようという工夫が見受けられる。
そして「Google Fit Platform」も発表された。Android Lでは、複数のBluetooth Low Energy(BLE)端末からデータが受信できるようになるため、複数のウェアラブル機器、ヘルスケア製品からデータを受信し、それを一元的に表示するプラットフォームとなる。
このAndroidの世界観の拡大、ヘルスケア分野の強化は、「どこかで見た世界」である。そう、すでにアップルがWWDC 2014で発表している内容と重なる部分だ。これは、どちらかがマネした、とか、どちらかが後追いした、とかいう話ではない。要は、「その時期に来た」という話だ。