ケース2:部下のモチベーションを今すぐ上げたい
◆お悩み
月曜の朝、だるくてやる気がなさそうな後輩や部下が多いです。すぐに効果があがるような、部下に対してモチベーションが上がるような声の掛け方、接し方はありますか?(20代女性)
◆アドバイス
これは、いわゆるブルー・マンデー、心理学では月曜効果ともよばれ、月曜はお休みモードから仕事モードへの切りかえに時間がかかってしまいます。このような経験は誰にでもあると思いますが、ついダラダラとした仕事態度になりがちですよね。
そこで注意したいことは、仕事内容を具体的に指示すること。朝の早い段階では前週の仕事とのつながりを再確認し(ウォーミングアップ)、その後に集中して仕事をこなすというように、メリハリのある仕事の段取りをサポートすることが重要です。
上司・先輩として、月曜は特に、元気な声ではっきりと、仕事の指示は具体的に出しましょう。これだけでも、部下の気持ちの切りかえは進むものです。
ケース3:自分のモチベーションはどうすればアップできる?
◆お悩み
1つのプロジェクトで2年~3年かかる長期的な仕事が多く、同じ様なルーチン作業も多いので、中だるみしてしまいモチベーションを保てなくなることが多いです。長期でモチベーションを保つにはどうしたらよいでしょうか。また、気をつけるべきポイントがあれば教えてください(50代男性)
◆アドバイス
目標達成までの期間が長期にわたる場合には、それをいくつかに区切り、短期目標を設定することの効果が確認されています。たとえば、1年で12キロのダイエットを目標にしても、これだけでは達成は困難です。この場合は目標を分割して、たとえば1カ月に1キロのダイエット目標を立てましょう。さらにいえば、1週間で250グラムの目標にも分割できますね。
目標を分割することによって目標がより身近なものになり、達成の具体的な手順がより明確になります。その中で目標達成への工夫も試すことができるのです。こうした目標分割の効果は、心理学の研究でも確かめられています。
ただし、注意点があります。それは、本来の長期目標と新しく立てた短期目標との関係が明確であること。一つの目標をクリアすれば次の目標につながり、それを順にクリアしていくことで最終目標の実現につながることが、明確に意識できることが大切です。
いかがでしたか?自分のであれ、他人のであれ、モチベーションを上げるのって難しいですよね。 ぜひ当記事を参考に、モチベーションを高めて目標を叶えてみてくださいね。
インタビューにお答えいただいた方
角山剛教授 -専門は産業・組織心理学。東京未来大学モチベーション行動科学部通信教育課程は心理・コミュニケーション、経営、教育領域から科学的アプローチに基づく「やる気=モチベーション」の研究を推進している。