評価用機材とテスト環境の紹介
それでは今回の評価用機材を見ていこう。今回は最上位モデルAthlon 5350とGIGABYTE製マイクロATXマザーボード「GA-AM1M-S2H」を用いて検証を行った。このほかのテスト環境は表の通り。
■表2 今回のテスト環境 | ||||||
APU | AMD Athlon 5350 | |||||
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GPU | Radeon R3 Grace | |||||
GPUドライバ | Catalyst 14.4 | |||||
M/B | GIGABYTE GA-AM1M-S2H | |||||
RAM | AMD Radeon Memory DDR3-1600 4GB | |||||
Storage | Samsung SSD 840 250GB | |||||
Power | ANTEC TruePower Quattro 1000W 80 PLUS | |||||
OS | Windows 8 Pro 64bit(Build 9200) |
まず、Athlon 5350を見ると、これまでのAMD製デスクトップ向けプロセッサよりも一回り小さいサイズとなっていることが分かる。CPU-Zのと合わせて以下に示す。
次にマザーボードに目を向けると「GA-AM1M-S2H」のフォームファクタはマイクロATXだが、実際に見てみると通常のマイクロATXよりもかなり小さい。基板のサイズはW226×D170mmとMini-ITXに迫る小ささだ。Kabiniは先述の通り、チップセットを統合したSoCなのでマザーボード側にそれほど機能を持っていない。それだけにボードの実装もすっきりとした印象を受ける。
2フェーズの電源回路以外に、さっと見て確認できるのはPWMコントローラ(Intersil ISL62771)、LANコントローラ(Realtek RTL8111F)、オーディオコーデック(Realtek ALC887)だろうか。気になるのはチップセットがないのにヒートシンクがある点。このヒートシンクの下にはスーパーIO(IT8620E)が配置されていた。
BIOSは1基でDual UEFIには対応していない |
AM1プラットフォームは、APUを交換するとBIOSの設定が消えてしまうが、「GA-AM1M-S2H」にはRTC ICを搭載しており、APUを交換してもBIOSの設定やOSの日付などが維持される |
また、従来のAMDプラットフォームと違う点としてはCPUクーラーが挙げられる。これまでのブリッジ式リテンションから2点のプッシュピンに固定方法が変更となった。省電力プロセッサらしくリファレンスクーラーも50mmファンを搭載した小型のものとなっている。
ただ、このリファレンスクーラーは取り付けにくいと一部で指摘されている。筆者もそれほど起用ではないのだが、マザーボードに取り付ける前段階としてヒートシンクの角にある穴にピンを通すのだが、これがまずなかなか通らない。その後、マザーボードに固定する際もコツがいる。サードパーティーから取り付けしやすいクーラーが登場することを願いたい。
このほか、拡張スロットはPCI Express x16×1(動作はx4)、PCI Express x1×2、ストレージはSATA 6Gb/s×2、バックパネルのインタフェースはUSB 3.0×2、USB 2.0×2、HDMI×1、D-Sub×1、Gigabit Ethernet×1、サウンドポートなど。
内部コネクタにはシリアルポートとパラレルポートのピンヘッダも備える。この辺りの仕様はPOSあるいはデジタルサイネージなど業務用端末といった分野も狙っているのかもしれない。