では、iPhoneやiPadにおける4K対応はどうだろうか? 例えばQualcommではSnapdragon 802/805といったSoCで4K対応をアピールしている。実際の採用製品として出てくるのは2014年後半以降だとみられるが、4K出力を行う先はスマートフォンやタブレットといった小さいディスプレイではなく、そこに接続した大画面4K TVを想定している。
製品としてはSnapdragonを搭載したセットトップボックス(STB)や、ハイエンド端末の内部にコンテンツを保存して大画面TVにストリーミング出力する……といったものが登場すると考えられる。AppleのAxシリーズのSoCで4K出力に対応できるかは不明だが、今後Apple TVが4K対応していくことを想定すれば、今後1~2世代のうちには4Kコンテンツをデコードしてストリーミング出力できるだけのパフォーマンスを備えたプロセッサが登場するはずだ。
「コンテンツを保存して出力する」という意味での4K対応は比較的早いタイミングでやってくると考えられるが、iOSデバイスにおいて直接4Kコンテンツを再生して楽しむとなると話は別だ。まず4Kコンテンツはサイズが非常に大きくなり、モバイルデバイスへの保存には向いていない。4K時代のコーデックとなるHEVC (H.265)は圧縮率がそれほど高くなく、現状のMP4再生で利用されるH.264と比べても過大な期待はできない。しかもデコーダの負荷が高いため、バッテリ駆動時間等を考えれば「外出先で動画再生を楽しむならフルHDで十分」ということになる。