数年前まではよく見かけたフィーチャーフォン、いわゆるガラケーを、最近はすっかり見なくなった気がする。「ガラケーかスマホか」なんて記事も、すっかり遠い過去の出来事に思えるほどだ。IT業界ではもはやスマホを前提としてあらゆる話が進んでいる気すらする。

しかし、ガラケーは今もちゃんと存在しているし、意外とユーザーは多い。MM総研によると、2013年末のスマートフォン契約者数は5328万件で、携帯電話も含めた契約者数全体の44.5%。つまり、ガラケーの方がまだ多いのだ。

そうはいっても、各キャリアはもうすっかりスマートフォンにシフトしてしまっており、最近ではガラケーの新機種は細々としか発表していない。そんな状況にあってもなお、ガラケーを使い続けるのはなぜなのだろうか。

今もガラケーを使っているというEさんに「スマートフォンに替えない理由」を聞いた。

Eさんの日常からスマホの使いどころを探る

Eさんは都内の企業で働く40代の男性だ。特殊な仕事というわけではなく、情報収集もするし、電車で移動することもある。スマートフォンがあれば、そうした時間を有効活用できるのではないかと思うのだが、「必要性を感じないんですよね」とばっさり。

取材に応じてくれたEさん

「移動中は次の仕事のことを考えたり、電車の中で人間観察したりしています。私にとって携帯電話は、あくまで連絡をとるための通信機器。電車で使おうとは思わないですね」

うーん、なるほど……。