対するAQUOS SERIEも、F1.9という明るいレンズを搭載するなどカメラには以前からこだわっているスマートフォンだが、その方向性はXperia ZL2とは少し違う。今回、AQUOS SERIEに搭載された「リアルタイムHDR(ハイダイナミックレンジ合成)」機能は、1ショットの撮影でHDR画像を生成できる他、"HDRで撮影するとどう写るか"がリアルタイムに画面に映し出されるという便利なもの。HDRは黒つぶれや白飛びを防ぐ便利な機能として、少し前からスマホにも搭載されるようになったが、逆にシーンによっては不自然に見えてしまうこともある。

リアルタイムにプレビューすればそうした不自然な写真になる失敗も少なくなるし、さらに「オート」でオンオフを切り替えることで、細かく設定をいじることなくHDR加工を使えるようになるわけだ。おそらくAQUOS SERIEが約1310万画素という少なめの画素数に抑えているのには、おそらくこのリアルタイムHDRの処理の負担を考えてのことではないだろうか。

これまでは「特殊な撮影法」だったHDRを、意識することなく通常の撮影に取り込んだのが、AQUOS SERIEの功績といえる。

「失敗を少なく」というコンセプトは、被写体を認識して構図を指示してくれる「構図アドバイザー」機能にも表れている。Xperia ZL2が「よりデジカメらしく綺麗に撮る」スマホだとすれば、AQUOS SERIEは「より失敗しないように撮れる」スマホなのだ。

サイズと重量、バッテリー、ユニークなカメラ機能に一歩秀でるAQUOS SERIEと、ノイズキャンセリング機能とウォークマン譲りのサウンド、画素数でリードするXperia ZL2という対比が面白い。