ヤフー株式会社は25日、2013年度通期および第4四半期決算説明会を開催した。広告等の売上が好調に推移し、増収増益を維持できたという同社において、スマートフォン事業はどのように展開したのか。本稿では説明会の内容から、特にスマートフォン事業に焦点を当てて解説していこう。

宮坂学代表取締役社長

2013年度の通期スマートフォン広告売上高は452億円。前年度比で+201億円(+80.7%)と、大きな伸びを見せている。広告関連全体の売上高が2,157億円であることを考えると、スマートフォン広告の比率は21.0%。前年度の比率が13.1%だったことを考えると、スマートフォン広告がこの1年でいかに伸びたかがわかる。

特にスマートフォン・タブレットでの収益に貢献しているのが、「検索連動型広告」である。Yahoo!で検索をすると検索結果の一番上に出てくる「スポンサードサーチ」という項目、これが「検索連動型広告」だ。当然、検索数が多ければ多いほど広告のクリック数は増えることになる。

スマートフォン時代になり、スポンサードサーチの成長が著しい

宮坂社長によると、スマートフォン・タブレットを経由した検索数は2013年に入ってからも順調に伸長しており、このことが広告の売上に好影響を与えているようだ。

スマートフォン事業の好調さがうかがえるのは、広告の数字だけではない。ヤフーがリリースしているiOSとAndroidアプリの累計ダウンロード数は2014年3月までに1億6000万DLを達成。これは前年度比で約2倍の実績だ。

アプリは累計で1億6000万ダウンロードを達成した

事実、昨年はヤフーから意欲的なアプリが多数リリースされた。たとえばスマートフォン時代ならではの新たな検索の仕組みを提供した「SmartSearch」や、有名人の顔と自分の写真を合成できるエンタメアプリ「怪人百面相」、さらに最近ではTwitterとFacebookの投稿が一度に検索できる「リアルタイム検索」のアプリ版も登場している。