もちろん、画面が大きいからデバイスとして使いやすいか、といわれるとそうではない。握り心地やポケットへの収納などの面で「適度なサイズ」が人それぞれにあるからだ。iPhoneも3.5インチから4インチにサイズを上げたが、横幅を保ち、今までのiPhoneの握り心地を残しつつ、画面はHD動画などを見やすい16:9のアスペクト比に設定している。

一方で、ノートパソコンやタブレットなどに頼らず、スマートフォンだけで全てをこなすライフスタイルを送る人にとっては、唯一のデバイスであるスマートフォンの画面サイズを大きくしたいというニーズもある。例えばGALAXY Noteシリーズは、そうした声に上手く応えている製品だ。この領域とどのように対峙するか。そう考えると。やはりいつかは、画面サイズを大きくせざるを得なくなるはずだ。

そんななか、日本経済新聞の3月28日付けの記事で、2014年9月に、4.7インチ、5.5インチという2つの画面サイズで発売される見通しであると報じ、世界中のメディアがこれを引用した。ディスプレイは、シャープ、ジャパンディスプレイ、LGディスプレーが製造し、解像度が高まるとしている。

画面サイズを拡大して解像度が高まるということは、現在のRetinaディスプレイを維持しながら、フルHD化、あるいは更に高解像度化も実現されるだろう。プロセッサも合わせて強化されるはずだ。

新たな素材、サファイアガラス

Appleはこれまで、全面の強化ガラスにコーニング社のゴリラガラスを採用してきた。このガラスが採用された経緯は、2006年に試作中だったiPhoneとカギをポケットの中に入れたところ、プロトタイプで採用していたプラスティックに傷が付いたことから、ゴリラガラスの採用でこれを解決したという。ゴリラガラスも進化をしており、2014年1月には、3D曲面のゴリラガラス製造技術を確立している。