――昭和勢15人、平成勢15人および『鎧武』のライダーたち、そして『烈車戦隊トッキュウジャー』、悪の軍団「バダン帝国」まで出てきますから、これだけのキャラクターをまとめるのは本当にすごいことだと思います。

もう本当に、地獄の苦しみで作っていましたね(笑)。普通にやるのは簡単かもしれないんですけれど、ライダーの集団が平成と昭和の2つに分かれて、それが争うという部分にどういったドラマを入れ込むか、それが難しいところでした。できあがった作品は、おそろしい綱渡りをこなして、なんとかまとまったのではないでしょうか。とにかくものすごい数の要素を盛り込んでいますので。

――大勢のキャラクターの交通整理だけで大変、ということですか。

物語としてわかりやすい、いわゆる"よくできたお話"という作品は、けっこう作りやすいんです。しかしドラマとして破たんしてでもいいから、いろんな要素を盛り込んで、さまざまな切り口から観られるように作るというのが、職人……プロの腕の見せどころだと思います。ただ、職人技なんだけどよくわからない、自己満足なものになってしまうと、これは失格なんです。

――今回、「平成ライダーと昭和ライダー、どちらが勝利するかをファンからの投票で決める」ということですが、全国の劇場に設置された投票BOXのほうは19日に締め切り、公式サイトでのインターネット投票も25日23:59で締め切られました。この「勝敗を投票で決める」アイデアにはどんな狙いがあるのですか。

先ほど「シンやZO、Jは昭和か平成か」みたいな話をしましたが、"昭和ライダー"、"平成ライダー"という分け方は、熱心なライダーファンの方たちやわれわれ作り手の間では通じるけれども、一般の人たちのイメージでは"仮面ライダーは仮面ライダーだろう"というくらいの認識しかないんですよ。

それを、ここからここまで昭和、ここからが平成だとわかってもらうためにはどうすればいいか、頭をひねって考えまして、"投票"というアイデアに至ったんです。ぶっちゃけて言えば、仮面ライダーに昭和も平成もないんですが、あえて昭和と平成に"わかれて"戦うイメージを、一般の方々に持ってもらいたかったんです。

――『昭和ライダーと平成ライダーが戦う』というコンセプトは、実にキャッチーといいますか、「どういうストーリーなんだろう」「どっちが強いんだろう」といった、観客の興味をそそるものになっていますね。

宣伝などを通じて、お客さまに「この映画はこういうところを楽しめばいいんだな」と明確に伝えられる企画が一番正しい、と考えている身としては、「平成ライダーVS昭和ライダー」と言い切った瞬間に、それは達成できたかなと思っています。

本作『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』は3月29日より全国で公開される。

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