スマートフォンのデザインは、前面のディスプレイが主役。Moto GはフルHDではないが4.5インチ1280×720ピクセルの解像度は、iPhone 5sが搭載するRetinaディスプレイに匹敵する329ppi。ちょっと色味がビビッドすぎる印象を筆者は覚えるが、色鮮やかで明るく、高い解像度のディスプレイには非常に満足できる。
ちょうど世代の性能としては、SamsungのGALAXY S IIをイメージすると良いだろう。3年前にハイエンドとしてリリースされたGALAXY S IIのカメラの画素数は800万画素でフルHD撮影には対応せず、NFC非搭載、さらにLTEにも非対応(HSPA+ 21Mbpsの通信に対応)だった。それと同程度の性能となるMoto Gは、いまとなってはハイエンドとはほど遠い端末なのだ。
Moto Gの魅力は価格だ。8GBモデルで179ドル、16GBで199ドルだ。かつ、SIMフリーで、携帯電話会社との契約も必要ではなく、米国ではGoogleのオンラインストアで購入できる。この価格は、16GBモデルで比べれば、iPhone 5sを2年契約する前提での割引価格と同じだ。SIMフリーの価格で比較するとその差は450ドル。
もちろん、ハイエンドとはいえないMoto Gと、米国や日本でのスマートフォントップメーカーの最新機種であるiPhone 5sを比較することはできない。しかし、iPhone並の高精細で更に大きなディスプレイと、そこそこの性能が、契約なしで179ドルで手に入る価値は、非常に高い。
ちなみに、AndroidデバイスとしてNexus 4やNexus 5など、LGが製造するGoogleブランドのスマートフォンも、SIMフリーモデルが300ドル台で販売されている。Nexus 4はMoto Gよりも古いモデルではあるが、前述の通り比較対象がGALAXY S IIであることから、もしNexus 4を持っているならMoto Gに買い換えるべきではないだろう。