Windows XPのサポート終了で、Macスイッチを検討
価格の上昇が見込まれる点は、購入する予定がある全てのユーザーにとって関係があるが、もしも古いWindowsを使っていてMacに乗り換えようという場合、もう1つ別の要因が考えられる。それは、MicrosoftのOS、Windows XPのサポート終了が控えている点だ。
Windows XPは2001年にリリースされた基本ソフトで、2008年6月のパッケージ版販売終了後も、プリインストール版が2010年10月まで販売が続けられてきた、根強い人気があったバージョンだ。2009年4月にサポートが終了していたが、ビジネスユースなどで移行が進んでいなかったことから、サポートが延長されてきた。その延長も2014年4月9日に終了する予定だ。
サポートが終了すると、これまでリリースされてきたセキュリティ更新プログラムなどのアップデートが用意されなくなるため、セキュリティや機能面での脆弱性等が発見された場合でも修正されなくなる。一方、10年前と現在ではコンピュータの性能が大きく進化しており、Windows XPで動作してきたコンピュータがそのままWindows 7やWindows 8で快適に使えるかと言われると難しいだろう。
そのため、新たなOSを備えたパソコンを購入し、Office等のアプリケーションを新しいバージョンで揃え直さなければならない。いずれにしてもコストがかさむ事を考えると、前述の価格改定前のMacへ乗り換えるにも良いタイミングではないだろうか。
スイッチコストは低減している
WindowsユーザーがMacを利用する際、様々な使い勝手の違いを経験することになる。
例えばWindows XPにあったスタートメニューがなくなり、Dockと画面上部右側のアイコン群がその役割を果たしたり、Finderでディスクの取り外しを行ったり、ウィンドウを閉じるボタンが左上から右上に移動したり。また全画面での利用や、Spacesなどのデスクトップの使い方も異なる。なおAppleは細かい操作性の比較を表にまとめて掲載している。
しかし現在のWindowsからMacへの乗換は、筆者が2001年に経験した時ほど、大変ではないように思われる。
昨今我々はパソコンから、インターネット上のサービスを多用している。検索やニュース閲覧などはWebブラウザを通じて行うが、Mac標準ブラウザのSafariの他に、Windowsにも用意されているChromeやFirefoxにはMac版もあり、同じように利用できる。またGmail、Facebook、Twitterなどは、基本的にはWebブラウザで利用するため、WindowsとMacのプラットホームに大きな差はない。
Googleドライブ、Evernote、Dropboxなどのクラウドサービスのアプリは、Windows同様、Macにも用意されている。そのため、OSのプラットホームが変わっても、これらのクラウドアプリをMacにインストールし、Windowsの頃と同じIDでログインするだけで、今まで使っていたデータがそのまま利用できる。
パソコンの利用方法が変化する中で、大きなOSそのもののスイッチングコストは非常に低くなっている。特に細かい操作に関して、「慣れ」という要素はもちろん大きいが、ブラウザとインターネットを中心とした使い方をしている人であればあるほど、すんなりと移行することができるだろう。