MOVERIOを実際に使ってみたインプレッションとしては、一口に言えば、予想以上に実用性を感じる。投影画面も予想以上にクリアに見え、懸念したほどには目の疲労がないと感じた。最近のヘッドマウントディスプレイの進化には驚かせられる。ちなみに暗いシェードを使うと投影画面が見やすくていい。

ちょっと大きなサングラスに見えなくもない。それがMOVERIO

コントローラでの操作は理屈の上ではスマートフォンと同じタッチ操作でカーソルを移動してタップで確定できるのだが、表示がグラスに変わっただけで、はじめはちょっと戸惑うがすぐに慣れる。

このMOVERIOの面白いところは、周囲にいる人に気付かれずにさまざまなアプリを動かすことができるということがある。動画の再生や画像を見ていても、周囲の人には何をしているのかわからないわけだ。

人と話している最中に動画を見ても、相手には悟られない。それもMOVERIO

何か資料を読んでいるように見えても、本当は何を見ているのかを相手はわからない。それこそがMOVERIO

なお、MOVERIOが投影する映像と周囲はフォーカスの距離感が異なる。投影されている映像はスルーで見る周囲の映像よりも近くに見えるので、両者に同時にフォーカスをあわせるのは困難に感じた。

そのため、周囲の人がMOVERIOユーザーの目の動きに注目していると、投影画面を見ているのか、周囲を見ているのか、わかってしまうかもしれない。そのため、周囲に目の動きを悟られたくない場合は、色の濃いシェードをしておくといいだろう。

また、このMOVERIO自体にはスピーカーが搭載されておらず、音を聴くにはイヤホンやヘッドホンを接続して使う必要があることでメリットとデメリットがある。ちなみに標準でマイクつきのカナル型イヤホンが付属する

メリットは好みのイヤホンやヘッドホンを使うことができること。付属のイヤホン以上に高音質なデバイスを使うことができるわけで、これは映画などを視聴する場合にメリットがある。ドルビーデジタルプラス対応なので、イヤホンでもサラウンド感のある音を楽しめる。

そして、デメリットとしては、イヤホンをして音を聞けるようにすると、会話をしているときなどに周囲の音を聴くのがやや困難だという問題がある。

AVモデルではHDMIで接続して映像を入力することができる。ブルーレイディスクプレイヤーを接続して映画を楽しむこともできるわけだが、借りた機材ではこの機能はまだ、実装されていなかった。残念なことだ。