―― 次に、日本市場へは再参入となる、USBメモリ製品についてご説明ください。

バハール氏「今回は3種類のUSBメモリ製品を発表いたしました。高性能製品として、USB3.0接続の『エクストリーム プロ USB3.0 フラッシュメモリー(128GB)』と、USB3.0接続でコストパフォーマンスが高い『エクストリーム』も投入します。これは数年前に米国の雑誌で『USB of the Year』に選ばれました。

3つ目は非常に小さなUSB2.0メモリ『クルーザーフィット USBフラッシュメモリー』です。従来のUSBメモリはちょっと大きいものですが、この製品はノートPCに取り付けたままで気にしなくてもよいほど、小さなものです。

USB3.0製品に関してはキャップのないスライドデザインですし、性能面も含めて日本でも高評価が得られるものと期待しています。また『エクストリーム プロ(128GB)』は、USBメモリでありながらSSDレベルの読み書き性能を実現しました」

今回投入されるUSBメモリの3製品。一番右が日本再参入のきっかけになった「エクストリーム プロ USB3.0 フラッシュメモリー(128GB)」、真ん中がUSB3.0接続の「エクストリーム USB3.0フラッシュメモリー(16GB/32GB/64GB)」、左がUSB 2.0接続で小型の「クルーザーフィット USBフラッシュメモリー(16GB/32GB/64GB)」(写真左)。小型の「クルーザーフィット USBフラッシュメモリー」は、"Plug&Stay"として、ノートPCやUltrabookに挿したままでの使用も想定。ストラップを通しやすい金属ループを設けている(写真右)

―― 以前の製品と違ってスライドの動きがいいですね。USBメモリの付属ソフト面で何かございますか?

バハール氏「USBメモリには『セキュアアクセス』というソフトウェアが付属します。AES-128bitという強固な暗号化が入るため、重要なデータが入ったUSBメモリを紛失してしまってもデータは保護されます」

サンディスクのUSBメモリ製品に付属する「セキュアアクセス」ソフトウェア

―― USBメモリでSSD並みのパフォーマンスを得られるのは素晴らしいですね。さらにSSD並みの容量…、例えば256GB程度のUSBメモリを出される可能性は?

バハール氏「サンディスクは、ユーザーの皆さまに買っていただけるものを製品化したいと考えており、買わない、もしくは買えない製品を発表しても意味がありません。お客さまには『これくらいの価格や性能なら買いたい』というポイントがあります。サンディスクにもさらに大容量のUSBメモリ製品はありますが、現時点では今回の『エクストリームプロ』のような高性能製品ではなく、性能も価格も目標レベルに達していません。

USB 2.0メモリの時代ですと、ユーザーはUSBメモリの転送能力にはあまり注目していなかったように思えます。サンディスクは2011年に初めてUSB 3.0メモリを発表していますが、現在ではユーザーも、USB 3.0メモリがどれも同じ性能ではないと理解したようです。読み書きともに最高性能のエクストリームプロ製品に関して、性能の違いを理解していただけるのではないでしょうか。

特に、アジア圏で購買パターンに変化が見られ、1GB以上の動画ファイルを持ち歩きたいというユーザーが増えています。以前のUSB 2.0製品だとPCからの転送に数十分も待っていましたが、新しい製品では30秒ほどと、転送待ちにイライラすることもありません」

―― USBメモリが日本の製品ラインナップから消えた状況と、再投入する狙いを教えてください。

バハール氏「これはサンディスクの岩崎から答えてもらいましょう」

サンディスク(日本)のマーケティング部シニアマネージャー、岩崎健氏(サンディスク発表会より)

岩崎氏「日本市場では、2009年にUSBメモリ製品の投入を見合わました。この時期はリーマンショックから始まった世界経済の厳しい状況があり、フラッシュメモリの価格下落も激しく、ビジネスとして成り立ちにくくなったのが背景としてありました。

今回の再参入ですが、まずUSBメモリに『エクストリーム プロ』のラインナップが投入されたことで、USB 3.0メモリ製品が充実しました。加えて、2013年に出荷されたPCの9割近くがUSB 3.0対応ですので、よいタイミングであると判断しました。

パフォーマンスでも容量でもリーダーシップという、サンディスクの目標をUSBメモリでも体現する形で今回の3ラインナップを投入しますが、それ以外にもエントリー製品やミドルレンジ製品がありますので、市場動向を見ながら追加したいと考えています。はじめはオンライン通販で開始し、家電量販店に関してはその後の拡大となるでしょう」

サンディスク発表会より

サンディスク発表会より

―― メーカーイメージに合致する「エクストリーム プロ」が再投入のきっかけということですか?

岩崎氏「そうですね。発表会でも触れていますが、サンディスクのコンシューマー製品には、3つの大きな収益源があります。SD/CFカードのイメージング、microSDカードのモバイル、USBメモリとSSDのコンピューティングという、三本柱でビジネスを展開しています。

日本市場ではUSBメモリがラインナップから消え、SSDのリテール製品も未投入です。しかし、グローバルで見れば三本柱の1つですので、これを機に日本市場でもコンピューティング製品をご紹介していきたいと考えています」

―― そういう背景があるならば、コンピューティングジャンルとなるSSDのリテール製品にも期待しています。