―― 次に、日本市場へは再参入となる、USBメモリ製品についてご説明ください。
バハール氏「今回は3種類のUSBメモリ製品を発表いたしました。高性能製品として、USB3.0接続の『エクストリーム プロ USB3.0 フラッシュメモリー(128GB)』と、USB3.0接続でコストパフォーマンスが高い『エクストリーム』も投入します。これは数年前に米国の雑誌で『USB of the Year』に選ばれました。
3つ目は非常に小さなUSB2.0メモリ『クルーザーフィット USBフラッシュメモリー』です。従来のUSBメモリはちょっと大きいものですが、この製品はノートPCに取り付けたままで気にしなくてもよいほど、小さなものです。
USB3.0製品に関してはキャップのないスライドデザインですし、性能面も含めて日本でも高評価が得られるものと期待しています。また『エクストリーム プロ(128GB)』は、USBメモリでありながらSSDレベルの読み書き性能を実現しました」
―― 以前の製品と違ってスライドの動きがいいですね。USBメモリの付属ソフト面で何かございますか?
バハール氏「USBメモリには『セキュアアクセス』というソフトウェアが付属します。AES-128bitという強固な暗号化が入るため、重要なデータが入ったUSBメモリを紛失してしまってもデータは保護されます」
―― USBメモリでSSD並みのパフォーマンスを得られるのは素晴らしいですね。さらにSSD並みの容量…、例えば256GB程度のUSBメモリを出される可能性は?
バハール氏「サンディスクは、ユーザーの皆さまに買っていただけるものを製品化したいと考えており、買わない、もしくは買えない製品を発表しても意味がありません。お客さまには『これくらいの価格や性能なら買いたい』というポイントがあります。サンディスクにもさらに大容量のUSBメモリ製品はありますが、現時点では今回の『エクストリームプロ』のような高性能製品ではなく、性能も価格も目標レベルに達していません。
USB 2.0メモリの時代ですと、ユーザーはUSBメモリの転送能力にはあまり注目していなかったように思えます。サンディスクは2011年に初めてUSB 3.0メモリを発表していますが、現在ではユーザーも、USB 3.0メモリがどれも同じ性能ではないと理解したようです。読み書きともに最高性能のエクストリームプロ製品に関して、性能の違いを理解していただけるのではないでしょうか。
特に、アジア圏で購買パターンに変化が見られ、1GB以上の動画ファイルを持ち歩きたいというユーザーが増えています。以前のUSB 2.0製品だとPCからの転送に数十分も待っていましたが、新しい製品では30秒ほどと、転送待ちにイライラすることもありません」
―― USBメモリが日本の製品ラインナップから消えた状況と、再投入する狙いを教えてください。
バハール氏「これはサンディスクの岩崎から答えてもらいましょう」
岩崎氏「日本市場では、2009年にUSBメモリ製品の投入を見合わました。この時期はリーマンショックから始まった世界経済の厳しい状況があり、フラッシュメモリの価格下落も激しく、ビジネスとして成り立ちにくくなったのが背景としてありました。
今回の再参入ですが、まずUSBメモリに『エクストリーム プロ』のラインナップが投入されたことで、USB 3.0メモリ製品が充実しました。加えて、2013年に出荷されたPCの9割近くがUSB 3.0対応ですので、よいタイミングであると判断しました。
パフォーマンスでも容量でもリーダーシップという、サンディスクの目標をUSBメモリでも体現する形で今回の3ラインナップを投入しますが、それ以外にもエントリー製品やミドルレンジ製品がありますので、市場動向を見ながら追加したいと考えています。はじめはオンライン通販で開始し、家電量販店に関してはその後の拡大となるでしょう」
―― メーカーイメージに合致する「エクストリーム プロ」が再投入のきっかけということですか?
岩崎氏「そうですね。発表会でも触れていますが、サンディスクのコンシューマー製品には、3つの大きな収益源があります。SD/CFカードのイメージング、microSDカードのモバイル、USBメモリとSSDのコンピューティングという、三本柱でビジネスを展開しています。
日本市場ではUSBメモリがラインナップから消え、SSDのリテール製品も未投入です。しかし、グローバルで見れば三本柱の1つですので、これを機に日本市場でもコンピューティング製品をご紹介していきたいと考えています」
―― そういう背景があるならば、コンピューティングジャンルとなるSSDのリテール製品にも期待しています。