去る3月5日、サンディスクが世界初となる128GBのmicroSDXCメモリーカードと、高性能なUSBメモリ製品を発表した。同日に行われた発表会では、米SanDiskのバイスプレジデント リテール製品マーケティングおよび新興国市場担当のディネッシュ・バハール氏と、リテール製品マーケティングディレクターのスーザン・パーク氏がプレゼンテーション。
発表会の模様は別記事『サンディスクの発表会、待ちに待ってた「128GB microSDXCカード」 - 日本のUSBメモリ市場へも高性能モデルで再参入』を参照いただくとして、ここでは発表会とは別の場で両氏にうかがった内容を紹介したい。
バハール氏「今回は、2つの新製品と1つ参考発表を行いました。新製品の1つは世界最大容量となる128GBのmicroSDXCカードです。もう1つは、日本のマーケットにおいてサンディスク製品ラインナップを拡充しようと考えており、その第1弾としてUSB3.0のハイパフォーマンスUSBメモリを含む3製品を投入いたします。
加えて、Wi-Fi接続のストレージ製品を参考発表いたしました。この製品は、まだ日本市場への投入時期が決まっておりません」
―― 新製品の1つ目として、128GBのmicroSDXCカード「サンディスク ウルトラ プラス microSDXC UHS-I カード 128GB」(以下、ウルトラプラスmicroSDXC 128GB)に関してご説明ください。
バハール氏「他の追従を許さないテクノロジーの粋となる製品です。このmicroSDXCカードの中に16枚のメモリチップが積層されており、メモリチップは紙の1/4程度まで研磨されています。サンディスクは常に技術革新に努めており、今回のウルトラプラスmicroSDXC 128GBでは、メモリチップの積層数を従来の8枚から16枚に増やして、容量を倍増させることができました。
サンディスクは、64GBのmicroSDXCカードを2011年に発売いたしました。microSD製品としては2003年に128MBモデルを投入しているので、10年間で容量を1,000倍に引き上げることになったわけです。その間に、コンシューマーの皆さまの利用形態も変わってきており、非常に多くの方々が大容量のメモリカードを購入され、写真や動画、ドキュメントの保存に利用しています」
―― 128GBのmicroSDXCカードは、正直「やっと出たか」という印象もあるのですが、技術面や品質的にハードルが高かったと考えてよろしいのでしょうか?
バハール氏「先ほど説明しました通り、メモリチップを16枚積層するという技術的に高いハードルがありました。しかしそれ以上に、より多くのお客さまに望まれる価格で提供することが重要なことだと考えていました。
世界的にも、microSDカードに関する大容量ニーズが高まっています。従来製品は64Gモデルまでのラインナップでしたが、このままではニーズにお応えしきれないと思い、128GB製品を投入することになりました。ウルトラプラスmicroSDXC 128GBを使えば、720pのハイビジョン動画を約24時間、1080pのフルハイビジョンでも15~16時間の録画が行えるようになります」
―― 技術だけではなく、ニーズの高まりと、現実的な価格を実現できたことで、製品化に結び付いたということですね。
パーク氏「市場ではスマートフォンのカメラ機能がどんどん進化しており、写真の画素数と品質が向上することでファイルサイズが大きくなっています。スマートフォンで動画撮影をする人も増えており、一部のスマートフォンでは4Kビデオを撮影できるようにもなりました。このため、高容量のニーズは世界的に高まっており、今後も伸びていくでしょう」
―― 大容量化のロードマップはどのようになっていますか?
バハール氏「具体的なロードマップは公開できないのですが、1つ言えることは、サンディスクはメモリカード製品において、容量と速度の両面で真のリーダーになろうと常に努力しています。
microSDXC製品で言えば、昨年の5月に最高最速となる64GBモデルを発表いたしましたし(編注:日本では2013年7月11日)、今回のウルトラプラスmicroSDXC 128GBは最高容量の製品となりました。2013年11月には最速のCFカード、2014年2月には最高速度のSDXCカードと、タイミングごとにサンディスクが業界のリーダーであり続けていると自負しています」