先ほどカメラのスペックが平凡であると書いたが、ここも画素数以外の部分で機能の向上が見られる。注目したいのは、オートフォーカスに位相差センサーを取り入れていること。詳細は省くが、位相差センサーとはデジタル一眼レフカメラなどに搭載されているオートフォーカスと同じもので、高速なピント合わせを可能にする技術なのだ。ついにこの技術がスマートフォンのカメラに搭載されるようになったか……と、進化のスピードに驚いてしまう。

また、カメラといえば、ソニーのXperia同様、4k動画を撮影できるようになったのも大きい。4k動画は、従来のフルHD1920×1080(約200万画素)に対して、4倍となる約800万画素の解像度で撮影できるムービーのこと。これから普及が進むと見られているこの4k動画を撮影できるようにしてきたところは興味深い。端末の画面解像度がフルHDのままなので、4k動画の精細感をGALAXY S5で楽しめるわけではないが、たとえば動画から写真を切り出したりといった作業をするのに、800万画素という数字はかなり心強い。

さらに、カメラの下にはフラッシュと共に心拍数を計測するためのセンサーも搭載されている。運動量や心拍数などを計測して管理できる機能で、今後のスマートフォンの可能性をさらに広げてくれそうだ。

スペックだけを見ると、さほど進化しているようには見えないGALAXY S5だが、数字以外の面では使い勝手を着実に向上させてきていることがわかる。特に一般的に広く喜ばれそうなのは、防水防塵と、4k動画撮影、指紋認証によるセキュリティ向上といったところだろうか。ここが気になるなら、GALAXY S4から買い替えもアリだろう。逆にこうした新機能にさほど興味がないなら、今回は"待ち"でも良さそうである。

かつてはスペック番長としての印象が強かったGALAXYシリーズだが、今はむしろスペックアップよりも、使い勝手や機能面のブラッシュアップに努めているようだ。