質疑応答

記者会見のあと、質疑応答の時間がもうけられた。iPhoneを導入して迎えた10-12月の3か月とあり、業績がどの程度伸びるか注目されていた。このことについて「思ったほど業績の向上に結び付かなかったのではないか」と聞かれると、加藤社長は「MNP、純増数、解約率において数字は改善している。パケット収入も増えている。プラスの要因はあった。しかし、もう少し早くiPhoneの効果を出したかった、というのも正直なところ」と回答。要因としてiPhoneの在庫が足りなかったこと、dマーケットのiPhone上での展開に時間がかかったことなどを挙げた。dビデオに関しては、一時的に契約者数が減ってしまったという。それだけに、初めてiPhoneをラインナップに加えて迎える春商戦に大きな期待をかけている。

記者団の質問に答える加藤社長

ソフトバンクでは先日、音声とパケットをパックにした通話定額サービスを提供すると発表した。これについて意見を聞かれると「他社のサービスなので評価できる立場にない」と断りつつも、「大変、工夫されていると思う。我々も料金プランについては知恵を出しあっているところ。お客様目線で使いやすい、NTTドコモを選んでいただき長く使っていただけるプランはなにか、を常に考えている」と語った。

Tizenの導入を見送ったことに関しては「13年度に導入しようと予定していたものは見送った。現在、スマートフォンのマーケットが鈍化しつつあるとも言われている。世界の動向を見ながら、今後もきっちりと検討していきたい」と回答した上で、「iOS、AndroidといったOSがある中で、Tizenは非常に重要なOSという考えに変わりはない」と付け加えた。

囲み取材

記者会見のあと、加藤社長は囲み取材にも応じた。1月の契約者数の推移について、KDDI(au)の田中社長は手応えを感じているとのコメントを出している。それについてNTTドコモはどうだったのか、という質問に加藤社長は「1月は12月に比べると、弱含みになった。そういった意味では(KDDIさんは)"かなり適切な"キャッシュバック施策をされたのでは」とやや冗談めかして回答した。

料金面で対抗していく考えは、と聞かれると「春商戦に向けて対抗していきたい。ただ、キャッシュバック合戦がマーケットにとって、ひいてはお客様にとって本当に良いことなのだろうかと、ずっと自問している。あるべき姿ではないのでは。現状では、2年ごとにキャリアを代えるのが一番良い方法だとおっしゃる方もいる。NTTドコモでは、長く使っていただけるお客様に価値を感じていただけるようなサービスを考えている」と語った。

春商戦の強みについては「iPhoneを持っている。これまでのAndroidスマートフォンのラインナップにも自信をもっている」と回答した。

(記事提供: AndroWire編集部)