Apple iOSも、Google Androidも、GPS・Wi-Fi・Bluetoothを駆使したより詳細な位置情報の取得や、端末(を持っている人)の活動状況を把握するための仕組みをソフトウエア的に導入している。Appleはこの処理のバッテリ負担を軽減するため、M7モーションコプロセッサをiPhone 5sやiPadシリーズに採用した。つまり、スマートフォンとソフトウエアは、我々がどこでどんな状況下にあるか、ということをより詳細に知ることになる。

前述の通り我々が使っているクラウド型で提供される様々なデータやサービスと、我々の行動や状況が、ミックスされる場がスマートフォンだ。すなわち、2014年は、スマートフォンの中だけで生み出され、扱われる情報がより増えていくものと考えられる。

スマートフォンはパーソナルデータとビッグデータが混合する解析の場となる。その結果が我々に直接提供されたり、ネットワークにつながる様々なものに対してリモコン的に指示を送るようになる。ウェブサービス同士のマッシュアップをレシピとして組み立てられる「IFTTT」(イフト)のように、非常に簡単なものになるだろう。

IFTTT

2014年以降、スマートフォンはよりハブ的な役割を強め、どんな情報を処理するのかが明確になるだろう。ウェアラブルデバイスとしてメガネ型や腕時計型デバイスがより広まるとしても、肌身離さず利用する最も身近なコンピュータとしてのスマートフォンのポジションは変わらない。

その点で、「デスクトップ・クラス」とうたう64ビットプロセッサを搭載したiPhone 5sをリリースしたAppleも、スマートフォンのポジションの確定を見据えて、数歩先の取り組みと位置づけているのではないか。