スマートフォンやタブレットの普及に伴って注目を集めているのが、Bluetoothを使ったヘッドセットやキーボードだ。ケーブルが不要になるため、特に外出時でのメリットが大きいBluetooth機器だが、どうしても有線機器に比べると音質などの面で不利な点があることは否めなかった。
しかしここへきて、Bluetoothヘッドセットの音質は急速に改善されつつあると感じている。何がBluetoothヘッドセットの音質を決めるのか、選ぶ際のポイントはどこにあるのか。多数のBluetooth機器を発売しているバッファローサプライ事業課マーケティング第一係の原 敬三氏、片桐 勝春氏に話を伺った(文中:敬称略)。
――最近、Bluetoothヘッドセットが注目されつつありますが、Bluetoothヘッドセットの音質はどのように決まるのでしょうか。
片桐:実際のところ、Bluetoothヘッドセットで音質というのはそこまで大きく違わないものなんですよ。ただ、最新のモデルであれば「aptX」や「AAC」という高音質な圧縮機能が搭載されています。これらの特徴は、高音質で遅延が少ないこと。これに対応するスマートフォン、たとえばiPhone 5や5sでしたら「AAC」が楽しめます。
――スマートフォン以前の従来の規格はどのようなものだったのでしょう。
片桐:SBCという規格ですが、現在でもほとんどのBluetoothヘッドセットはこの圧縮方式で転送しています。「aptX」や「AAC」は高価格なモデルには入っていますが、まだ普及価格帯のモデルには使われていないのです。ただ、これらの圧縮方式で劇的に違うかというと、そういうわけではありません。もともとBluetoothは通信領域帯が狭いので、違いが出にくいのです。人間の耳では聞こえない周波数の音を削っていたのが削られにくくなるので、比べると「あ、いい音だな」とは思うかもしれませんが、そのくらいです。むしろ音質に関しては、スピーカーなどのハードウェアの作りの方が重要です。