外観のチェックに引き続き、今度はハードウェア性能に目を向けてみよう。筆者がタブレット、特にIconia W4のようなコンパクトな製品に求めるのは、適度なマシンスペックとほどほどのバッテリ性能だ。Iconia W4にはMicrosoft Office 2013が搭載されているが(Personal搭載モデルとHome and Business搭載モデルがある)、ガリガリと制作作業を行う使い方ではなく、外出先で資料を確認したり、ちょっとした修正を加えたり、といったケースがほとんどではないだろうか。中心的な用途としては、WebブラウジングやYoutube等で動画を楽しむなど、趣味的な要素が色濃いように思う。

そういった観点で主要スペックをおさらいしてみると、OSはWindows 8.1 32bit、CPU(SoC)はIntel Atom Z3740(1.33GHz、開発コードネーム:Bay Trail)、メモリはLPDDR3 2GB、ストレージは64GB eMMC、グラフィックスがIntel HD Graphics(CPU内蔵)だ。バッテリ駆動時間は、Webなどの閲覧で最大10時間、ビデオ再生でも約8時間となっている。

ざっと目を通す限りでは、筆者が想定した「Iconia W4」の利用シーンにおいて、問題なくパフォーマンスを発揮してくれそうだ。ここから、実際に各種ベンチマークソフトで確認してみよう。

管理者権限のコマンドプロンプトで「WinSAT.exe」を実行

まずは、Windowsエクスペリエンスインデックスだ。Windows 8.1になってから、システムのプロパティ画面に「Windowsエクスペリエンスインデックス」の値が表示されなくなったのは、読者の皆さまの知るところかと思う。

ただし機能自体は残っており、「コマンドプロンプト(管理者)」を起動して、「winsat formal -restart clean」を実行すれば、値を知ることが可能だ。オプションスイッチなどの詳細は、「winsat /?」を実行して確認していただきたい。以下が、実際に「WinSAT.exe」(Windowsエクスペリエンスインデックスを計測するプログラム)を、Iconia W4で実行した値となる。

「WinSAT.exe」の実行結果は、「C:\Windows\Performance\WinSAT\DataStore」フォルダにXML形式のファイルで出力される。XML形式のファイルは、Internet Explorerで確認可能

描画性能やゲーミングスコアが低く感じるものの、そこは割り切りが必要な部分だろう。後述するが、現在の8型Windowsタブレットにおいて、「ベンチマーク」の1つとして半ば必須ともなっているブラウザゲーム「艦隊これくしょん -艦これ-」も、不自由なく動作している。

続いては、総合ベンチマーク「PCMark 7」を実行。筆者の印象としては、先に述べた使用用途であれば、十分なパフォーマンスなのでは、といったところ。手軽に持ち歩き、好きなコンテンツを色々な場所で楽しめるIconia W4の性格上、まずまずのスコアなのではないだろうか。

総合ベンチマークソフト「PCMark7」の結果はご覧のように

次に、「CrystalDiscMark 3.0.3」で内蔵ストレージ(64GB eMMC)の読み書き速度をチェック。1,000MBのランダムデータを5回読み書きする設定で実行している。最近の高速なSSDと比較すると全体的に低い数値だが、体感的にもたつく印象は受けたことはなかった。

スコアとしては書き込み速度が低いのだが、体感的には大きなストレスはない