ソニー「α7R」は、35mmフルサイズセンサーを搭載したミラーレスカメラだ。2013年11月の発売以来、愛好家層を中心に人気を集めている。いちばんの注目点は、レンズ交換対応のフルサイズ機でありながら、ミラーレス構造によって小型軽量にまとめられたボディだ。高画質と携帯性を両立させた画期的な製品の実写レビューをお伝えしよう。
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まず目を惹くのは、これまでの同社のミラーレス「NEX」シリーズとは雰囲気が異なる、独特の外観デザインだ。両サイドを丸くカットした長方形のボディをベースにしながら、天面中央には角がとがった電子ビューファインダーを、前面右手側には曲線的なラバーグリップがそれぞれ配置している。
レンズマウントには、ミラーレス専用のEマウントを採用。センサーがマウント径のギリギリにまで広がっていることが分かる |
0.5型の有機EL電子ビューファインダーを装備。液晶モニターには3.0型ワイドTFTを搭載する |
三角頭のシルエットラインだけを眺めると、昔ながらの一眼レフ風スタイルのようにも見える。だが、一眼レフのデザインと決定的に違うのは、レンズマウントの付け根部分にいわゆる「エプロン」部と呼ばれる段差がないこと。本来あるべきものがないことで、何かが欠けているような物足りなさが残る。実を言うと、このカメラを初めて見たときには「オヤッ?」と戸惑いを感じたが、その理由のひとつはエプロンがないことだ。人によって好き嫌いが分かれるデザインかもしれない。
ただ私自身、当初はこのデザインに違和感を覚えたが、今では慣れたせいもあり、これはこれで悪くないと感じている。ほかの多くのフルサイズ機は曲線を生かしたふっくらとデザインだが、それらに見比べると、α7Rはスマートに引き締まった形状であり、これまでにないモダンな香りが漂っている。それに何より、「α99」など従来のフルサイズ機に比較して一回り以上もコンパクトなことがありがたい。