付属ソフトと印刷性能をチェック
付属ソフトとしては、エプソンの各種お知らせやサービスを通達するポータルアプリ「MyEPSON Portal」、写真印刷ソフト「E-Photo」、OCRソフト「読んde!!ココ パーソナル」などが用意されている。
この辺りも基本的に従来と変わらないのだが、EP-976A3ではA3サイズのスキャンが可能なスキャンソフト「ArcSoft Scan-n-Stitch Deluxe」がユニークだ。EP-976A3の原稿台はA4サイズまでの対応ではあるものの、A3原稿を3回に分けてスキャンしてソフトウェアで1つの画像に合成することで、A3サイズの原稿を取り込める。雑誌やカタログなどをスキャンする際にも便利だろう。
「ArcSoft Scan-n-Stitch Deluxe」でA3サイズの資料を取り込む際は、画面の指示に従いながら3回に分けてスキャンを実行する |
ボタンをクリックするだけで、3回に分けてスキャンした画像が1つに合成される |
EP-976A3の印刷速度をチェック
最後に、EP-976A3の印刷速度の計測結果を紹介しよう。今回のテストでは、紙送り開始から排紙されるまでの時間を計測している。印刷実行から紙送り開始までの時間は含まず、状況によっては印刷前にヘッドクリーニングが入るため、トータルの印刷時間は今回の結果より遅くなるケースが多いだろう。この点はあらかじめご了承いただきたい。
コピー機能
標準品質 | エコノミー | |
---|---|---|
A4普通紙カラーコピー | 14秒 | 5.9秒 |
A4普通紙モノクロコピー | 8.2秒 | 5秒 |
ダイレクト印刷(SDメモリーカード)
標準品質 | きれい | |
---|---|---|
L判フォト用紙フチなし写真印刷 | 14.5秒 | 54.8秒 |
PC印刷(USB接続)
標準品質 | きれい | |
---|---|---|
L判フォト用紙フチなし写真印刷 | 15.6秒 | 49.7秒 |
インクジェット用はがきフチなし印刷 | 16.5秒 | - |
光沢はがきフチなし印刷 | 18.3秒 | 60.2秒 |
印刷品質が「エコノミー」ならカラーコピーでおよそ6秒、モノクロコピーで約5秒という結果だった。家庭向けのインクジェット複合機であることを考えれば、十分なスピードだろう。ただしエコノミー印刷ではインクが薄くなるため、印刷物を相手に渡す場合は標準品質でプリントしておきたい。
L判の写真プリントについては、メモリーカードから直接プリントするダイレクト印刷と、EP-976A3とPCをUSB接続したときの2種類を計測したが、それほど大きな差は出なかった。はがき印刷を見てみると、インクジェット用はがきで16秒前後、光沢はがきで18秒前後という結果に。インクジェット用はがきだと印刷品質「きれい」を選べないが、出力結果は十分鮮やかで、年賀状印刷にも申し分ない。
A3でもプリントしたいユーザーにおすすめ
2012年モデルに比べると、EP-976A3はA3印刷に対応しただけでなく、さまざまな便利な機能が追加されている。「痒いところに手が届く」、高機能なインクジェット複合機へと進化したといえるだろう。嫌な言い方をすると、豊富な機能を備えているという点ではお得感があるが、普段は写真や文書など標準的な印刷にしか使わないユーザーには、ちょっと割高のような気もする。
だが逆に、コンパクトで印刷品質の高いA3対応機を探しているユーザーには、ぴったりのモデルだ。特にA3サイズで印刷した写真は迫力満点。普段はL判の写真やA4の文書を印刷し、ここぞというときにA3サイズでプリントするという使い方に適しているだろう。