タッチパネルの使い勝手

ADS-1500Wは2.7型のカラータッチパネルを搭載し、PCなしで操作できるのが大きな特徴だ。原稿カバーを開くと、「PC」、「FTPサーバー」、「ネットワーク」、「Eメール送信」、「USBメモリ」、「クラウド」の6つのメニューが表示される。共有サーバーに保存したければFTPやネットワークドライブを指定でき、PCやネットワーク環境がない場合はUSBメモリに保存すれば、データを持ち運ぶのが簡単というように、さまざまな使い方が考えられる。なお、トップメニューの「PC」と「USBメモリ」は設定なしで利用できるが、それ以外はPC上でプロファイルの作成やアカウントの登録作業が必要だ。

基本的には、どの機能も画面に従って操作すれば実現できるようになっている。タッチパネルは、ただ触れるだけでは反応せず、ほんの少し押し込むように画面を圧することで操作する。メニュー画面を切り替えるためのボタンが少し小さいので、間違えて押してしまうこともあったが、それ以外の点で特に不満はなかった。

タッチパネルを操作して読み取りを行う

「PC」を選んだところ。PCを選択して「スタート」を押すと読み取りを開始し、スキャンデータが所定のフォルダに送られる|

USBメモリを装着した場合は、「USBメモリ」→「スタート」でスキャン

ネットワーク対応のADS-1500Wは、Web設定画面も搭載。WebブラウザでADS-1500WのIPアドレスを入力して、ADS-1500W本体の設定をWebブラウザから行える。FTPサーバーやネットワークサーバーの追加、メールサーバーの設定などはここで行う

クラウドサービスとの連携

ADS-1500Wはクラウドサービスとの連携機能を持っており(下位モデルのADS-1000Wは持たない)、本機を選ぶ最大のポイントといってもよいところ。対応しているサービスは、DropboxやEvernote、Googleドライブ、SkyDrive、Facebok、Flickrなど8種類。主要なオンラインストレージを、ほとんどサポートしているのがうれしい。

スキャンデータのアップロード機能はADS-1500Wを操作して行うが、初回に必要なアカウント登録作業だけはPCを利用する。「クラウド接続機能」と呼ばれる専用のページにアクセスして、発行された仮IDを本体に入力するという手順だ。

実際のアップロードは、2.7型カラータッチパネル画面の表示通りに操作すれば完了するようになっている。ただし、アカウントを選んだり、ファイルの種類やスキャン方法などを毎回指定する必要があるのは面倒だ。頻繁に使うなら、後述のスマートフォン向けアプリを使ったほうが効率がいい。

なお、クラウド連携機能は、PCから利用できないのが残念だ。ADS-1500W本体からの操作が必要で、Wi-Fi環境が必須となる。例えば、PCに保存しつつ、クラウドにも保存(アップロード)できるとよかった。

Brother Utilitiesからクラウド接続機能のページにアクセスし(ADS-1500WのWeb設定画面)、利用したいサービスを選ぶ

サービスにログインし認証を行う

仮IDが発行されるので、これをADS-1500W本体に入力する

メニューから「クラウド」を開いて、利用するサービスを選ぶ(写真左)。画面に表示されるインフォメーションに従いながら、操作を行う。最初にアカウントの登録が必要だ。PC側の操作で発行された仮IDを入力し、表示名やPINコード(オプション)などを設定(写真右)

実際にスキャンするときは、先に登録したアカウントをまず選択し、次にファイル形式を選ぶ(写真左)。ファイル形式の選択肢は、PDF / JPEG / Word / Excel / PowerPointだ。続いてスキャン設定を確認し、「OK」を押す(写真右)

Evernoteの場合は、タグの選択画面も表示される

原稿をセットして「OK」を押すと、スキャンを開始する