同社が今後押し進めていく方針は「スマホ時代のネットワークNo.1」というものだ。そのために孫社長は「スマホのつながりやすさNo.1」と「高速通信の速度No.1」という2つのキーワードを挙げている。
まずは「スマホのつながりやすさ」だが、孫社長によると同社のプラチナバンド基地局数は現在2.8万局と順調に増加しており、サービスエリアも大きく改善しているという。「日本は電波を役所が許認可で決めます。このハンディキャップのため、ソフトバンクの電波はつながりにくいというイメージがついてしまいました。しかし、900MHzのプラチナバンドの許認可を得たので一気に改善しています」(同氏)
ソフトバンクの電波が改善した根拠として孫社長が提示するのが、「スマホのパケット接続率」の統計データだ。それによると、NTTドコモのパケット接続率96.4%、auが96.9%に対して、ソフトバンクは98.3%と圧倒。また、駅や大学、レジャー施設といったランドマーク別の調査でも競合他社に完勝しているという。
さらに、NTTドコモからiPhone 5s/5cが発売されたことから「同じ端末が3社にそろったことで、公平なネットワークテストができるようになった」と述べ、iPhone 5s/5cにおけるパケット接続率のテスト結果を提示。NTTドコモの98.2%、auの97.8%に対してソフトバンクは98.5%と、ここでも1位を達成したことを発表した。加えて、通話接続率に関してもNo.1になったこと、889日間ネットワークに重大な事故がなかったこともあわせて強調した。
スマホにおいて重要なのは「つながりやすさ」だけではない。「高速通信の速度」も通信品質を決める大事な要素だ。孫社長はイー・モバイル買収による2.1GHzと1.7GHzの倍速ダブルLTEを挙げ、ダウンロード速度が500駅中427駅で1位になったと発表。今後は設備投資を前倒しして、来春には900MHzと1.7GHz、2.1GHzのトリプルLTEを開始すると述べた。