評価機材
さて、そんな訳で実機をご紹介。バックパネルは以前レポートした通り、DVI×2 / HDMI×1 / DisplayPort×1の構成である(Photo19)。
補助電源は8pin+6pinのコンサバティブなもの(Photo20)。ちなみに基板長は267mm、全長はブラケットを含まず275mm、重量は1014gだった(Photo21)。またRadeon HD 7000世代ではあった背面カバーは廃されている(Photo22)。
ところで先ほどのベンチマーク写真に出てきたUber ModeとQuiet Modeであるが、本体の上側に小さなスイッチが設けられている。これはBIOS Settingの切り替えスイッチである。
Radeon R9 290Xは2 種類のBIOSを搭載しており、それぞれ別の動作パラメータが設定されている。1つがQuiet Modeで、これは室内の静粛性に配慮したモード、もう1つがUber Modeで、こちらはフルパフォーマンスを出すように設定されている(その分うるさい)。
もっともUber Modeが「すごく攻めた状態」かというとそうでもないようで、実際Photo13とかPhoto14を見ると分かるとおり、「あんまり変わらない」というのが正直なところであろう。
ちなみにヒートシンクそのものは以前と同じく、メモリ類まで含んで全体をカバーするもの(Photo24)。基板はPhoto25の様に、GPUコアを中心に16個のGDDR5チップが並ぶ、なかなか壮観なものである。GPUそのものは以前ハワイで展示されたものとほとんど同じ。
Photo26:ダイに直接刻印はなく、パッケージのみ。ハワイで展示されたのは今年4月(1316:2013年16week)製造のものだったが、こちらに搭載されているのは今年5月(1321:2013年21week)製造のものだった。微妙にSteppingも変わっている模様 |
搭載されているGDDR5はSK HynixのH5GQ2H24AFRだった(Photo27)。
Windowsにおける評価はこんな具合(Photo28)。CatalystやGPU-Zでも正しく認識された(Photo29,30)。
ちなみにこのRadeon R9 290Xに対応したCatalystでは、AMD Overdriveが直感的に扱えるようになった(Photo31)。Photo31は負荷を掛けていない状態だが、負荷を掛けるとこんな感じ(Photo32)。さらに、オーバークロックの設定もやりやすい(Photo33)。
テスト環境
さて、それではテストの紹介に移りたい。表1が今回のテスト環境である。以前まではX79プラットフォーム+Windows 8を使っていたが、今回Haswell+Windows 7 SP1に環境を戻させていただいた。またメモリは今回からDDR-1866 16GBを利用している。
■表1 | ||||
CPU | Intel Core i7-4770K | |||
---|---|---|---|---|
M/B | Intel DZ87KLT-75K | |||
BIOS | KLZ8711H.86A.0334 | |||
Driver | Inf Driver 9.4.0.1017 | |||
Memory | XMP-1866 CL10 16GB(Corsair VENGEANCE CMZ16GX3M2A1866C10 8GB×2) | |||
Graphics | SAPPHIRE HD7970 3G GDDR5 | AMD RADEON R9 290X Reference | ZOTAC ZTGTX770-2GD5R01 | INNO3D N780-1DDN-L5H5 |
Driver(GPU) | Catalyst 13.9 | Catalyst 13.11 βV5 | GeForce Driver 327.23 WHQL | |
HDD | Intel SSD 520 128GB+HGST HDP725050GLA360 500GB(NTFS) | |||
OS | Windows 7 Ultimate 64bit 日本語版+SP1 |
比較対象だが、さすがにGeForce GTX TITANは(他のメディアも同じタイミングでやはりR9 290Xの比較をしている関係だろうが)払底していて入手できなかったので、今回はGeForce GTX 780との比較をメインとさせていただいた。
まぁAMDは価格的にも性能的にもGeForce GTX 780が競合と位置づけているようなので、これはこれで構わないかと思う。製品としてはinno3DのGeForce GTX 780 Referenceを利用した。GTX 770とRadeon HD 7970はいずれも筆者の手持ちで、微妙にスペックが定格ではないとか古いとかだが、そのあたりはご容赦いただきたい。
またRadeon R9 290XのBIOS設定だが、今回はQuiet Modeで通させていただいた。これはそもそもUber Modeにしても大して性能が上がらない割りに確実にうるさくなったからであるが、もう一つ理由がある。正直言えばUber Modeは言ってみれば軽いオーバークロック動作な訳で、条件を合わせるためにはGeForce GTX 780の方もオーバークロック動作を考えないと公平ではない。
実際市場に出ているGeForce GTX 780はほとんどがオーバークロック動作のもので、リファレンススペックのものを入手するのはかなり苦労したほどだ。これはおそらくR9 290Xでも同じことになると思うが、今回はそうした個別の製品の性能ではなく、あくまでリファレンス同士の比較を行いたかったので、あえてQuiet Modeのままとしている。
テスト結果
さて、それでは実際にテスト結果をみていきたい。ちなみにそれぞれのグラフにおける表記であるが
- SAPPHIRE HD7970 3G GDDR5 : HD 7970
- AMD Radeon R9 290X Reference : R9 290X
- ZOTAC ZTGTX770-2GD5R01 : GTX 770
- INNO3D N780-1DDN-L5H5 : GTX 780
とさせていただいている。