軽さではない、VAIO Proの最優先事項とは
だが、VAIO Pro 11は、Ultrabookで最軽量クラスを実現していながらも、軽量化が最大の優先事項ではなかったと、宮入統括課長は明かす。
そして、宮入統括課長は、「もし、世界一の最軽量が最優先事項だったのならば、もう少し軽いモノができた」と笑う。
ではなにが最優先事項だったのだろうか。
それは、「クラムシェルのデザインでありながら、Windows 8の最大の特徴であるタッチ操作において、最適なものを作り上げる」(ソニー・山内氏)ということだった。
クラムシェルデザインでタッチ操作を行った場合、どうしても画面がぐらつくという状況が生まれる。仮にタッチに対応するように硬めに設定すると、開閉時に強い力が必要といった、利用面での負担を生じる。
山内氏は、「クラムシェルでタッチというのはナンセンスという議論もあるが」と前置きしながらも、「VAIO Proでは、クラムシェル型としてどんな進化ができるかを追求したもの。その点では、快適なタッチ環境の実現は譲れなかった。どうやったらユーザーが、クラムシェルで快適にタッチ操作ができるのかというを最優先に考えた」とする。
VAIO Pro 11では、液晶ディスプレイを開けると、液晶部がしっかりと床について固定する独特なフォルムを採用。さらに、硬さを細かくチューニング。開けはじめは柔らかめのトルクにしておきながら、約110度の角度から、トルクが一気に2倍にまであがる構造とし、使用時には安心して画面にタッチすることができるようにした。
「タッチ操作をしっかりと受け入れることができるクラムシェル型ノートPC」(山内氏)が誕生したわけだ。
770gという軽量化を実現した非タッチパネルに注目しがちだが、VAIO Pro 11のいち押しは、むしろタッチパネル搭載モデルということになる。