外観は同じ、中身は違う - 別チームが設計した11型と13型
VAIO Pro 11には、兄弟機として、13.3型液晶を搭載したVAIO Pro13がある。外観はほぼ同じに見えるが、中をみると、まったく別の製品であることがわかる。
マザーボードの形状をはじめ、SSDやSDカードスロットの配置、ファンやヒートパイプ、バッテリの大きさなどはまったく異なるものとなっている。
VAIO Pro 13では、薄いヒートパイプを2本利用しているのに対して、VAIO Pro 11では、少し厚めのヒートパイプを1本採用。空冷ファンもVAIO Pro 11では、4mm厚のものを使用し、放熱性の高いアルミをカバーに採用している。
「熱処理性能などには大きな差は出ていない。筐体のサイズが違うため、それぞれ専門設計として開発したものになっている」(宮入統括課長)。
実は、VAIO Pro 11とVAIO Pro 13は別々の設計チームによって開発された。
「同じコンセプト、同じターゲットユーザーであるが、SSDの配置、バッテリの形状などはすべて異なる。この2つの開発チームが、明確な目標と目的を持ち、共通の認識の上で、外は一緒、中は別という、製品づくりを実現した」(宮入統括課長)とする。
宮入統括課長は、「開発当初のモックアップよりも、完成品の方がよくなった」と笑う。
タッチパネルを搭載したWindows 8のUltrabookでも18mm以下を達成することを目指し、17.2mmの薄さを実現したのもその理由のひとつだが、裏面部にねじがまったく見えないというデザインも完成品の方がいいとする理由のひとつだ。
「ある程度設計が進み、裏面がきれいに仕上がることがわかった。それではということで、裏面のカーボン部にVAIOのロゴを入れた。ネジがいっぱい見えているところには、ロゴを入れたくなかったが、これならばいけると考えた」(宮入統括課長)
VAIO Pro 11は、発売以来の売れ行きが好調であり、当初計画を上回っているという。Red Editionでは、VAIO Pro 11が最初に売り切れになったことからもそれが裏付けられるだろう。
「モバイルノートPCのパフォーマンスで懸念していた人、デザイン性や堅牢性に不満を持っていた人に対して、フルスペックのものとして提供することができる」(ソニー・山内氏)
まさにソニーが渾身を込めたモバイルノートPCがVAIO Pro 11だといえる。