NTTドコモは10月4日、都内で記者会見を開き同社のLTE通信サービス「Xi」のネットワーク戦略やiPhone 5s/5cにおけるサービス対応状況について説明。Android端末向けに「クアッドバンド LTE」を提供することを明らかにした。

クアッドバンド LTEとは? ドコモ「Xi」の未来はどうなる

会見では、初めに同社取締役常務執行役員ネットワーク担当の徳広清志氏が登壇した。NTTドコモでは800MHz/1.5GHz/1.7GHz/2GHzの4つの周波数帯の電波を使い、LTE通信サービス「Xi」を提供している。このうち800MHzと2GHzで「広さ」を、1.5GHzと1.7GHzで「速さ」を、4波で「快適さ」を提供していく考えだという。

登壇する徳広氏(写真左)。他社が「つながりやすさ」をアピールする中、NTTドコモが考えるネットワーク戦略の詳細を説明した

NTTドコモでは、4つの周波数すべてを活用したLTE通信サービスを「クアッドバンド LTE」と命名する。2013年冬モデルのAndroid端末を、このクアッドバンド LTEに対応させる考えだ。なお、iPhone 5s/5cでは800MHz/1.7GHz/2GHzの3つの周波数帯でネットワークを提供していく。

エリア拡大に関しては従来通り、都市部では2GHzを、地方では800MHzを中心に展開していく方針。徳広氏は「3Gのお客様が、まだ4500万人いらっしゃる。LTE Xiのお客様は1500万人。3Gのトラフィック状況を見ながら、LTEのエリア拡大を進めていきたい」と説明した。LTE Xiエリアは順調に拡大しており、14年3月末の時点でXi基地局は前年同期比の2倍増(約5万局)を実現する。このうち75Mbps以上対応基地局は同6倍増(約4万局)となる見込みだという。

今冬モデルから、クアッドバンドLTEとして訴求する(写真左)。LTE Xiエリアは順調に拡大している(写真右)

Android端末においては、東名阪を中心に150Mbpsに対応する基地局数を増やしている。12月末には山手線全駅が対応し、13年度末には500局、14年度末には2000局に達する予定。なおiPhone 5s/ 5cでは最大100Mbpsとなる。また13年10月末には、全都道府県で100Mbps超のサービスを提供する予定だという(iPhone 5s/5cでは東名阪のみの提供)。

Android端末向けに、150Mbpsに対応する基地局数を東名阪を中心に増やしていく(写真左)。100Mbps超のサービスも提供を開始する(写真右)

LTEネットワークで利用できる周波数の幅が増えれば、当然通信は速くなる。1.5GHzと1.7GHzに関しては、順次、LTEのために幅を割いていく考えだ。しかし現在、3Gでもサービスを提供中の2GHzと800MHzに関しては、慎重に作業を進めているという。