WWDC 2013の基調講演でその姿を現した「iOS 7」。iPhone OSから名を改め3年が経過した今年は、iPhone 5sで動作する64bit版も追加され、Apple製品におけるOSのメインストリーム的存在にまで成長を遂げた。後編ではiOS 7のSafari、カレンダー、写真、カメラ、Siriの各機能の変更点を見ていく。

Safari

Webブラウザ「Safari」はバージョン7系にアップデート、多くの新機能が追加された。特にUIの変化は顕著で、従来のバージョンアップ以上のインパクトがある。

タブビューは、画面全体を水平方向に表示する従前のスタイルを改め、垂直方向へ積み重ねるようになった。iPhone 5を利用した場合、同時に内容を確認できるタブは5つに増加、一覧性が改善されている。新しいタブほど下に表示され、タブを表示し終えるとiCloudタブの内容が現れる点も新しい。タイトルバーにiCloudタブのボタンを表示できたiPadはともかく、ブックマークの先頭まで戻らねばiCloudタブを表示できなかったiPhoneにとっては、大きな変化とといえる。

「共有リンク」のサポートにも要注目。TwitterとLinkedInのアカウントに対応、URLを含む投稿を抽出してくれるので、話題の情報にすばやくアクセスできるのだ。同じ画面からタブ化されたリーディングリストとブックマークに切り替えできる点もうれしい。

ただし、検索バーとURLバーが再び統合されるなど、ユーザの混乱を招きかねない変更も見られる。下方向へスクロールすると、URLバーやページの進む/戻るなどボタン類が消えて表示面積が広がるのはいいが、再表示するにはページタイトルをタップしなければならない(細いのでタップしにくい)など、説明されなければわからない点もあることにも留意したい。

タブビューを一新、新しい順に垂直方向へ積み重ねるスタイルに変わった「Safari」

iCloudタブにアクセスする場合は、タブビューを下方向へスクロールすればOK。従来のブックマークからのアクセスより使いやすい

共有ボタンは「AirDrop」ボタンに変更され、知人にURLを知らせるなどの作業がスピーディーに処理できるようになった

新設の「共有リンク」には、TwitterやLinkedInのURLを含む投稿が表示される。リアルタイムの情報にすばやくアクセスしたいとき重宝する