サイズは4.8インチのTFT液晶で、ファインダーの映像はSVGAのデジタル方式だ。Android 4.2.2 Jelly Beanを搭載しており、Androidアプリがそのまま利用可能。さらに3Gならびに4G LTE接続方式にも対応し、各種センサーと合わせて普通のAndroidスマートフォンとしても利用できる。

NXのユーザーインターフェイス。スマートフォンの操作が基本となっており、本体背面すべてがタッチパネルで、そこに表示される項目を選択しつつメニュー操作を切り替える

デモではミラーレス一眼としてのスペックよりも、むしろAndroidと融合したことで誕生した「Unique & Intuitive UX (ユニークで直感的なユーザーエクスペリエンス)」と題するユーザーインターフェイスの部分が強調されていた。スマートフォンとしての最低限のボタン以外はほぼすべてタッチスクリーン側に実装されており、カメラとしての操作はすべてこの画面を通して行う。このカメラでAndroidアプリを実用的に扱えるかは意見が分かれると思うが、フォトレタッチやSNSなどネットワーク系アプリを組み合わせることで、従来のカメラにはない使い方が可能という点はGalaxy Cameraのコンセプトを引き継いでおり、今後の展開に注目したいポイントだ。もっとも、カメラを本格的に使いたいユーザーには斬新すぎるユーザーインターフェイスであり、一方でカジュアルユーザーには高級すぎるスペックといえ、ターゲットユーザーが非常に狭いという難点がある。デジタルカメラの世界では後発のSamsungだが、スマートフォンでのシェアやノウハウを武器に、今後は両者がある程度融合することを念頭にした新しいユーザー体験を地道にアピールして他社との差別化を図っていくことが重要になるかもしれない。

AndroidとWindows 8のハイブリッドタブレット「ATIV Q」

「Samsung Premier 2013 GALAXY & ATIV」と銘打っているように、Galaxy新製品を紹介しつつも、同社のWindows製品ラインナップであるATIVシリーズをアピールすることが今回のイベントの趣旨となっている。ATIVシリーズとしては、薄型軽量Windows 8タブレットの「Tab 3」、ノートPCの「Book 9」、オールインワン型の「One 5」といった製品群が紹介されたが、この中で最も脚光を浴びていたのが「ATIV Q」だ。

今回発表されたATIVシリーズ。タブレット、ノートPC、デスクトップ(オールインワン)に次ぐ第4のカテゴリとして紹介されたのが「ATIV Q」

外見だけを見れば、画面部分を引き出してスタンドを動かすことで「タブレット」から「ノートPC」、相手に見せるための「スタンドモード」まで、4~5種類のモードに変形が可能なコンバーチブルノートPC製品だといえる。だが中でも特徴的なのが、Windows 8タブレットでありながらAndroid OSを起動して自由に切り替えられる「DualOS」方式を採用している点で、Androidアプリを自由にWindows 8のスタート画面上に登録して呼び出し、必要があればすぐにWindows 8へと操作を戻すことができる。RTではない標準的なWindows 8のため、基本的にはアプリケーション不足で悩むケースは少ないと思われるが、カジュアルゲームやちょっとしたユーティリティなど、Androidでアプリを利用したいことがあれば、何かと役に立つ場面もあるだろう。Android OSはWindows 8上でアプリの1つとして動作しており、仮想マシン的に動作している状態だと思われる。そのため、Windowsキーを押すだけで簡単にスタート画面とAndroidの操作画面を簡単に行き来できる。そのため、WindowsとAndroidの動作環境が別々に存在して並行動作しているASUSのTransformer Book Trioとは異なる実装だと考えられる。

外見は13.3インチの高解像度ディスプレイを持つコンバーチブルPC製品。変形で4つのモードを移行できる

タイプモードとフローティングモードの様子。不安定にも見えるが、メタルフレームなので機構自体はしっかりしているようだ

DualOSの部分に注目が集まりがちだが、ATIV Qのハードウェア単体でみても13.3インチのディスプレイにqHD+ (3200×1800)の解像度サポートなど、非常にハイスペックだ。またS PENも組み合わせることが可能で、手書きタブレットとしての利用も想定されている。前述のTab 3も10.1インチサイズのボディにやはりqHD+の解像度のディスプレイを採用しており、全体に高解像度パネルを採用する傾向がある。Windowsタブレットではこうした実装がコストやバッテリ駆動時間等の問題で見送られがちな傾向があるが、Samsungとしては積極的にプッシュしていく意向のようだ。

そしてATIV Q最大の特徴がこのWindows / Android両対応のDualOS機能。素早く両者を切り替えられる。Androidそのものを使う機会は少ないと思われるが、今後何かの機会で利用することも考えられるだろう

ディスプレイ解像度はqHD+で3200×1800ピクセル。13.3インチ液晶としてはかなり高い解像度だ。このほか、SamsungはATIVの他製品でもqHD+液晶を採用しており、これをセールスポイントの1つとしているようだ。またS PENもサポートしており、手書きタブレットとしての活用も考えられる

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