肝心のコンテンツの量だが、この点に関しては現段階ではなんとも判断のしようがない。All Accessは数百万曲を扱うというが、日本からは利用できないため内容の検証は難しい。現時点では米国のみのサービスであることから、邦人アーティストの曲数も期待できない。Music Unlimitedは1,300万曲とAll Accessを上回るが、海外のアーティストに比べ邦人アーティストの曲数は少なく、日本のレコード会社の取り組み姿勢が透けて見える状況だ。

iTunes Radioが取り扱う曲数は、基調講演では触れられることがなかったため不明だ。ただし、曲を購入するためのボタンを配置することからして、iTunes Storeの取り扱う曲の多くが対象となる可能性がある。新曲やアルバムのシングルカットされていない曲、iTunes FestivalやiTunes Sessionといった独自のライブコンテンツも提供されるというから、iTunes Storeで試聴可能な曲を配信するだけのサービスということはなさそうだ。

このように、他のサブスクリプション音楽配信サービスとは一線を画す「iTunes Radio」。日本でのサービス開始時期は不明だが、iOS 7がリリースされる今秋には米国でのサービスローンチでその全貌が明らかになる。サービス開始が遅れているiTunes Matchともども、秋以降に期待したい。

■音楽配信サービスの比較

iTunes Radio Google Play Music All Access Music Unlimited
費用 無料(広告型) 9.99ドル/月 980円/30日
コンテンツ 200のラジオ局 数百万曲 1,300万曲
曲の購入 × ×
日本での利用 開始時期不明 開始時期不明
対応デバイス iTunes Radio Google Play Music All Access Music Unlimited
iPhone
Android ×
Mac ○(ブラウザ) ○(ブラウザ)
Windows ○(ブラウザ) ○(ブラウザ)
ゲーム機 × 不明 PS3、PS Vitaなど
AV家電 Apple TV 不明 SONY製テレビ、AVアンプなど