気に入った曲をオフラインで繰り返し聴くことができるよう、再生画面に購入用のボタンが配置されることにも注目したい。これはiTunes Storeを運営するAppleだけでなく、収益機会を増やしたいレコード会社や著作権者のニーズにも合致するという点で、従来のインターネットラジオ機能より格段にスマートといえるだろう。
もうひとつ、iTunes Radioで注目すべきは「広告支援型」サービスを基本とする点にある。iCloudと連携したいわゆるデジタルロッカー型のサービス「iTunes Match」の会員は広告なしで利用できるが、非会員は広告の表示を受け入れなければならない。
広告支援型サービスとした理由は、インターネットラジオ局に課されたライセンス料の支払いに充当するものと考えられる(関連記事)。どのような広告が配信されるのか(iAd?)、その広告だけで採算がとれるのかは現在手元にある情報ではわからないが、年額24.99ドルのiTunes Match会員は広告が非表示になることから推し量ると、ユーザ1人あたり年間数ドル程度でペイする程度のコスト感なのかもしれない。
では、iTunes Radioは既存の音楽ストリーミングサービスとどのように異なるのだろうか。次ページ以降では、すでに日本国内向けにもサービスが開始されているSONYの「Music Unlimited」と、2013年夏にスタート予定の「Google Play Music All Access」(以下、All Access)と対比しつつ考えてみたい。