上の写真は、左がLC-24MX1がスタンバイの状態のときのインジケーター部分だ。この状態でペアリングしたスマートフォンとLC-24MX1を接続すると、右の写真のようになる。スマートフォンからは"メディアの音声に接続"した状態だ。スマートフォンで音楽を再生するとLC-24MX1から音楽が流れる。
このように、スマートフォンからの音楽をBluetooth経由で再生する際には、LC-24MX1側をリモコンなどで操作する必要は一切ない。これは、Bluetoothスピーカーとしてはごく普通の動作なのだが、テレビとしては少々珍しい動作だといえるだろう。この状態で音楽を流しているとき、LC-24MX1のテレビとしての部分は、スタンバイ状態のままだ。つまりLC-24MX1は純粋にBluetoothスピーカーとして動作していることになる。ここで、スマートフォンでの再生を終了して、接続をオフにすると、LC-24MX1は、再びスタンバイモードに戻る。
「MX1」シリーズは、Bluetooth機能を搭載したテレビだというよりも、Bluetoothスピーカーとテレビをドッキングさせたような製品だといったほうが、実際のイメージに近いといえるだろう。
サウンドのクオリティは?
LC-24MX1には、音声のモードがいくつかあるのだが、その中でも音楽再生に適しているのが、「MUSICモード」だ。LC-24MX1をMUSICモードにしてBluetooth経由で音楽を聴いてみての最初の印象は、普通のテレビの音ではないというものだ。テレビの場合、音声をはっきりとクリアに伝える必要があるため、人間の声の音域付近を重視したサウンドになる。それに対して、より広い音域を扱うオーディオ機器では、より全体のバランスを重視したサウンドになるのが一般的だ。
MUSICモードでのサウンドには、テレビ的な要素はない。低域と高域のパワーが強く、最近の音楽を再生するのに適したチューニングだ。LC-24MX1は、一般的な液晶テレビとは異なり、デスクスタンドなどは付属していない。ダイレクトに棚や床の上に設置するスタイルだ。設置面からの反射が大きくなりやすい。おそらくそれも含めてサウンドのチューニングが行われているのだろう。
デジタルアンプと余裕のあるスピーカーキャビネットの組み合わせは、予想以上に良い結果をもたらしているといえるだろう。
MUSICモード以外のサウンド
LC-24MX1では、リモコンの「ホーム」ボタンを押して「設定」→「音声調整」と選択することで、サウンド関係の設定を行うことができる。調整できる項目は、オートボリューム(強中弱/切)、高域と低域が独立したトーン調整、バランス調整、MUSICモードのオン/オフ、サラウンド関係(後述)、声の聴きやすさとなる。
オートボリュームは、急激な音量変化を抑制するためのモードだ。MUSICモードをオンにすると、低域と高域が強調される。オフにするとこれらが薄くなり、中広域が強調され、また、音の広がり感も少なくなる。声の聴きやすさは、「標準/マイルド/くっきり/しない」の4種類から選択できる。音声帯域を強調し、それ以外を抑えるモードなので、音楽を中心に考えるのなら、ここは"しない"でOKだ。ここで設定した内容は、テレビとして使用しているときだけでなく、Bluetoothスピーカーとして使用しているときにも反映される。また、これらの調整は、LC-24MX1がテレビとして動作している状態でなければ実行できない。
意外と使える? サラウンド機能
音声調整の中にはサラウンドに関する項目が含まれている。LC-24MX1サラウンド機能は、MUSICモードがオフのときのみ使用できる。テレビに搭載されているサラウンド機能というと、いくつかの例外はあるが、やはり簡易的なものが中心となってしまう。
実のところ、シャープのWebサイトでは、LC-24MX1のサラウンド再生については全く触れられていない。筆者も、届いたデモ機を使ってみて初めて知ったほどだ。おそらく、「MX1」シリーズが搭載しているサラウンド機能は、同社の他のテレビに使用されているものと変わらないのだろう。しかし、聴いてみればわかるのだが、LC-24MX1のサラウンド機能は非常に効果的だ。素性の良いアンプとスピーカーがあれば何とかなってしまうという良い例だろう。
サラウンドは「自動」と「入」、「切」の3種類の動作があり、切では、サラウンドオフ、入では常にオン、自動ではソースの音声信号が3ch以上の場合にサラウンドがオンになる。サラウンドモードは「スタンダード」「ムービー」「ホール」の3種類だ。それぞれ残響や音の広がりに差があるので、ソースに適したモードを選択する。スタンダードモードは、一般的なソースに利用するためのモードだ。スポーツ中継なども、このモードを利用して再生することで高い臨場感を得られる。ムービーは、名前のとおり映画向けのセッティングだ。ホールは、広がりや残響が最大になるモードだ。音楽、なかでもソースがライブものの場合には、MUSICモードではなくこちらを使用した方が、より高い臨場感を楽しめる。
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