KDDIからは4機種
3キャリアの中でもっとも夏モデルのラインナップ数が少ないのがKDDIだ。その数、わずか4機種。各モデルの特徴は次の通り。
- HTC J one HTL22
フルメタルボディ。独自のカメラ機能。高音質なフロントスピーカー
- XPERIA UL SOL22
5.0インチのディスプレイ。高画質かつ高音質
- AQUOS PHONE SERIE SHL22
IGZOディスプレイ。3080mAhの大容量バッテリー
- URBANO L01
フィーチャーフォン風のUI。2700mAhの大容量バッテリ。急速充電
実はKDDI、以前から端末数をかなりおさえてきている。2012年冬モデルこそ10機種を発表したが、春モデルとしては「INFOBAR A02」の1機種のみ。そして今回は4機種と、ラインナップ数をおさえることで一つ一つを印象づける狙いもありそうだ。
気になるのは、ソフトバンクとdocomoが出しているシニア層向けのシンプル系スマートフォンがないことだが、決してKDDIがシニア層をスルーしているわけではない。
スマートフォン初心者を取り込むためにKDDIが仕掛ける戦略が、新たに発表された「auスマートサポート」だ。これは専任アドバイザーがスマートフォンの使い方や初期設定などのサポートを24時間体制で行う取り組みで、さらに「スマホ訪問サポート」では自宅までアドバイザーが訪問し、直接使い方を教えてくれるという。また、事前に機種の使い勝手を検討できる15日間の「スマホお試しレンタル」も開始する。
これらのサービスは、主にシニア層を含むスマートフォン初心者に向けたもの。他のキャリアが端末で初心者をとりにいったのに対し、KDDIはサービスで囲いにいったわけだ。もちろんサポートの充実は初心者でなくともありがたいものである。
その他、KDDIはリアル生活とスマートフォンとの連携をより強く打ち出した「スマートリレーションズ構想」を発表。端末数は絞り、UIやサポート、サービスなどのソフト面で他キャリアと差別化する方針のようだ。
3キャリアの動向
3キャリアそれぞれの動向を見ると、2つの共通したキーワードが見えてくる。ひとつは「シニア層、初心者、フィーチャーフォンからの乗り換え組の取り込み」、もうひとつは「独自のコンテンツ、サービス、サポートによる顧客の囲い込み」だ。
むろん、この傾向は何も昨日今日始まったものではなく、どのキャリアも以前からずっと続けてきた戦略である。今期、各キャリアが端末を絞り込んだことで、その方向性がよりはっきりと見えてきたにすぎない。
スマートフォンの端末としての進化はもはや必要十分。今後はサービスやコンテンツが、どれだけユーザーのライフスタイルに深く食い込めるかが勝負のポイントとなりそうだ。