NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの3キャリアがそれぞれ製品発表会を行い、2013年夏商戦に向けたスマートフォンが出揃った。ここで改めて、各キャリアの動向と今シーズンのトレンドについて考えてみたい。
ソフトバンクモバイルからは6機種
ソフトバンクが発表したスマートフォンの新製品は6機種。それぞれの特徴を簡単に書き出すと次のようになる。
AQUOS PHONE Xx 206SH |
ARROWS A 202F |
AQUOS PHONE ss |
DIGNO R 202K |
シンプルスマホ 204SH |
ケースやライブ壁紙などディズニー要素満載。軽量コンパクト |
- AQUOS PHONE Xx 206SH
フルセグ搭載。3080mAhの大容量バッテリ。F1.9レンズ
- ARROWS A 202F
フルセグ搭載。3020mAhの大容量バッテリ。ヒューマンセントリックエンジン
- AQUOS PHONE ss
放射線測定機能。小型軽量。4.0インチの小さめディスプレイ
- DIGNO R 202K
防水スマートフォンとして世界最軽量(94g)
- シンプルスマホ 204SH
シニア層向けに特化
- ディズニーモバイル DM015K
ケースやライブ壁紙などディズニー要素満載。軽量コンパクト
重量級のフラグシップから女性向けの軽量コンパクト機、ソフトバンクとしては初となる初心者向け機種まで手堅くすべての層を拾いにきた印象のラインナップだ。
コンテンツを積極的に楽しみたい20代~40代のメインターゲット層をフルセグ対応の2機種でおさえつつ、逆にそれはオーバースペックだという層に、軽量コンパクトな「DIGNO R 202K」を提案。一定のニーズがあるディズニーモバイルや放射線測定機能を搭載した機種は継続しつつ、さらにこれまで取りこぼしていたスマホ初心者のシニア層に向けて「シンプルスマホ 204SH」を出すなど、その狙いはかなり明確だ。逆にいえば自分に合ったスマートフォンを探す場合に、似たような機種の中で迷ったり選んだりする余地は少なくなっているともいえる。強いて言えばフルセグ2機種で迷うくらいか。
最大の商戦期である春が終わった直後で学生がターゲットになりにくいことも理由の一つだろうが、スマートフォンの性能が十分に上がったことでスペック上の差別化が難しくなってきたこともあるのではないかと思う。たとえば画面の解像度にしてもバッテリのもちにしても、一昔前と比べれば飛躍的に性能アップしており、一般的にはもはや何を選んでもそれほど不満はないレベルに達している。
スペックで差がつかないのなら、機能面で差別化を図るしかない。特にソフトバンクの場合はどうしてもiPhoneのイメージが強く、「iPhoneにはない機能」でわかりやすくアピールしたいという事情もある。