従業員を信頼すること
1つめは「従業員を信頼すること」。これについて、リービン氏は次のように説明する。市販のビジネス向けツールは、管理者以外がアクセスできない領域があるなど、利用者に制限を設けているものが多い。これに対しEvernote Businessでは、従業員全員で情報を共用するための「ビジネスノートブック」と、個人の管理下に置いて他人が見ることができない「パーソナルノートブック」という、ふたつの領域しか存在しない。そしてパーソナルノートブックに入れた内容は、会社の経営者であっても見ることができない。
「従業員が、仕事のファイルをパーソナルノートブックに入れているところを見たら、その社員を信頼するしかない。会社のためにやっているんだ、と。1万人に1人、仕事のファイルを個人のために流用する社員がいたとしても、それは経営者である私の責任と捉える。そして99%以上の従業員は、良いことをするためにやっていると考える」(リービン氏)。
ビジネスにも美しいデザイン
2つめは「ビジネスにも美しいデザイン」。「iPhoneに代表されるような電子機器から、車、家具など、身の回りには美しいデザインが増えてきている。それにともない、個人のセンスも磨かれてきている。美しいデザインは全ての人をハッピーにし、生産性を高めてくれるもの。ただ、プライベートでは美しいデザインに触れているのに、ビジネスでは触れていない。ビジネスのソフトウェアは美しくない。なぜ、こんなことを我慢しなくてはいけないのだろう」(同氏)。Evernote BusinessのUIは洗練されたデザインのため、"航空機のビジネスクラス"のような贅沢な気持ちで利用できる、というのがリービン氏の主張だ。
個人に使いやすいツール
3つめは「個人に使いやすいツール」。市販の企業向けツールは、機能面をアピールする一方で使っている個人にとっては使い辛いものであることもしばしば。Evernote Businessでは、まず第1に個人の生産性を高めることを考え、個人ユーザーの仕事に役立つツールを目指した。
コラボレーションは自然、スマートに
4つめは「コラボレーションは自然、スマートに」。ここ2カ月、かなり忙しい状態だったというリービン氏。自分のことで手一杯で、SNSやコラボレーションのためのソフトウェアを使う時間はほとんどなかったという。しかしEvernote Businessを使い個人の仕事を進めた結果、自然に社内のチームとも良い情報共有ができ、結果的に会社のためになったとのこと。この詳細については、Evernote Japanジェネラルマネジャーの井上氏から説明があった(次項を参照)。