第二回「科学の甲子園」の栄冠は、愛知県代表の県立岡崎高等学校チームの頭上に輝いた!
筆記、実技での得点を集計し、いよいよ第二回「科学の甲子園」優勝校の発表……と、その前に、今回の大会運営に協力した企業による賞の授与が行われた。
筆記競技で最高得点を得た筑波大学附属駒場高等学校チームには講談社賞が、「実技競技1.灘の酒」で最高得点を得た徳島市立高等学校チームには三菱電機賞が、「実技競技2.金平糖」で最高得点を得た秋田県立秋田高等学校チームには島津賞が、「実技競技3.君に届け! 熱いメッセージ!」で最高得点を獲得した愛知県立岡崎高等学校チームにはシマンテック賞が、「実技競技4.クリップモーターカーF1」でナンバーワンに輝いた岐阜県立岐阜高等学校チームにはパナソニック賞がそれぞれ贈られた。
また、最も優れたチームワークを発揮していた長野県長野高等学校チームには旭化成賞が、最も優れた21世紀型スキルを発揮したとして愛知県立岡崎高等学校チームにインテル賞が、女子生徒を3名以上含むチームで最も優秀な成績を修めた昭和薬科大学附属高等学校チームには帝人賞が、そして、イノベーションを予感させ最もユニークな解答をしたチームに送られる日立賞は愛知県立岡崎高等学校チームが獲得した。
そして、気になる最終成績である。総合成績第一位に輝き、文部科学大臣賞を授与されたのは、既に3部門で賞を獲得した愛知県立岡崎高等学校チーム。第二位には灘高等学校チーム、第三位には筑波大学附属駒場高等学校チームという結果となった。
総合優勝を果たした愛知県立岡崎高等学校チームのキャプテンを務めた砂田佳希さんは「前回出場して苦い経験をしたため、絶対に勝ちたかった。僕は吹奏楽部の部長ですし、他にも弓道部やバスケットボール部の人間もいる混成チーム。でも、他のチームに比べ和気藹々と楽しめた。それがこの結果に繋がったのでは」と語る。
また、抜群の成績を修めた「実技競技3.君に届け! 熱いメッセージ!」については、「1週間前に"加速度センサを用いて文字入力するプログラムを作成"と課題を聞き、メンバーの末木君が"Wiiリモコンが使えるんじゃないか"とアイディアを出してくれ、本番に近い環境で練習できたことが勝因では」と分析。末木さんのアイディアと砂田さんによるWiiリモコンとVisual Basicを駆使した環境作り。万全の対策を講じて本大会に臨んでいたことが窺えるコメントだ。
また、「実技競技3.君に届け!熱いメッセージ!」を出題したシマンテック担当者も愛知県立岡崎高等学校チームは「発想やそれをカタチにするデザイン・設計がずば抜けていた」と語っていた。独自に追跡取材を行い、その理由を聞いて然もありなん、だ。
愛知県立岡崎高等学校チームは、文字入力を僅か2ストロークで終えることができるうえに、3文字以上7文字未満の英単語、例えば「and」などを、あらかじめ出現率を調査して簡単に入力出来るようにプログラムしていたのだという。また、加速度センサを用いて文字入力するための設計も美しかったのだとか。「このように(図参照)してまず8方向の入力を行い、そこでさらに8方向。エンジニア歴10年を超える人間もこの設計を見て"おっ、使ってみたいな"と言わしめたほどですから、彼らの発想のユニークさ、それを実現するためのスキル、そして、課題では使用しなかった単語のショートカット入力などは、他のチームを遙かに凌駕していました」と、出題した立場から見ても驚きや気付きがあったのだそう。合点がいく、とはまさにこのことだ。