現在、iPhoneは1年に1種類のペースで新製品をリリースしている。対してAndroidは季節が変わるごとに各キャリアから数種類のモデルが発売される。
一例として、2012年の冬モデルでいえば、発売されたAndroidスマホの数は27機種。これが1年を通してとなると……とてもすべてを把握することは難しいほどの量だ。加えてAndroidはここ数年でディスプレイサイズがどんどん大きくなってきており、さらに縦横比も一定とは限らない。
たとえば、2012年夏モデルの「Optimus Vu L-06D」は4:3というスマホとしては珍しい縦横比を採用しているし、この4月に発売される「MEDIAS W」は、2画面をつないで使うことで9:8という縦横比になるのだ。
そうしたアイデアがまずいというわけではなく、むしろ新しい挑戦はどんどん行なってほしいと思う。ユーザーとしてはメーカーから意欲的な端末が出てくるのは喜ばしいことだからだ。
しかし、アプリ開発者にとってはちょっと事情が異なる。ディスプレイサイズ、縦横比、解像度などがバラバラなAndroid端末すべてにアプリを最適化するのはなかなかに困難なことなのだ。これがAndroidアプリの質が安定しない最大の理由だと筆者は考えている。
対するiPhoneの方は、まず圧倒的に機種数が少なく、かつ仕様変更も少なめだ。
初代iPhoneからiPhone 4Sに至るまで、実に4年もの間ディスプレイサイズはずっと3.5インチのままだったし、画面比率も一貫して3:2を守り続けていた。iPhone 5でディスプレイサイズ、縦横比が初めて変わったことは当時センセーショナルなニュースとなったが、つまりそれだけiPhoneは変化の少ないスマートフォンなのである。
そうなると、アプリ開発におけるノウハウが新機種に変わった後も使えるし、バグの修正やユーザーの声を反映させたアップデートもやりやすい。よってアプリをどんどん洗練していくことができるのだ。
さて、そうなるとiPhoneとAndroidの違いがはっきりと見えてくる。