Androidは、かつてはiPhoneを追いかける立場だった。2011年頃までは、端末の質感やタッチパネルの精度、スクロールの滑らかさなど、特にスペックにはあらわれない"ユーザー体験"において、AndroidはiPhoneに遅れを取っていた。筆者はこの時期にAndroid端末も購入しているのだが、両方を使ってiPhoneとAndroidの差をはっきり感じたことを覚えている。

それが2013年の現在、iPhoneとAndroidでそうした差はほとんどなくなっている。スペック上はもはやAndroidのハイエンド機がiPhoneを圧倒しており、タッチパネル精度、スクロールの滑らかさについても両者はほぼ同等といっていい。これはAndroidが進化したということももちろんあるが、iPhoneが数年前からさほど進化をしていないということもあるだろう。逆にいえば、iPhoneは最初からほぼ完成形だったのだ。

iPhoneは良くも悪くも大きな変化がない

カスタマイズしやすいからAndroidが好きという人もいる。それはそれで選ぶ立派な理由になる

そうやって五分に並んだ感のある両者だが、はっきりとした違いが今でも一つだけある。

それは「アプリの質」だ。そしてこれが、筆者がiPhoneを選ぶ最大の理由である。

別にすべてのAndroidアプリの質が低いというわけではない。今回問題にしたいのは、"安定感"である。Androidアプリに比べると、iPhoneアプリの方が明らかに全体的な質の平均値が高いのだ。

ちなみにここでいう"質"とは、たとえばバグが少ないということであったり、デザインが洗練されているということだったり、インターフェースの使い勝手だったり、そういった要素をすべて含んだ総合的な「満足度」ととらえてもらっていい。一言でいえば、iPhoneアプリの方がハズレを引く確率が低いのである。

それはなぜなのか。

答えは簡単で、iPhoneの方が機種数もモデルチェンジによる仕様変更も少ないからである。