数々の記事は同社ソフトウェアユーザーなら必見
2012年に入ると、「BOOT革命/USB Ver.5」を利用してWindows 8を利用する記事が掲載されるようになった。同年5月には「BOOT革命/USB Ver.5『エクスターナルインストール』でWindows8をサキドリ体験!」を公開。エクスターナルインストールとは、各Windows OSのセットアップCD/DVD-ROMからセットアップファイルをUSBメモリに一度コピーし、直接USBメモリに対して、セットアップを実行するための環境を構築する機能。セットアップ終了後のUSBメモリには、Windows OSのみがセットアップされるため、独自のWindows環境を構築することができるというものだ。
ちょうどこの時期は、Windows 8 Consumer Previewが公開されており、多くのユーザーが次期Windows OSに対して興味を持ち始めた頃である。だが、日々使用するパソコンにセットアップすると、既存環境に影響を及ぼすなどのリスクをはらむことになるため、エクスターナルインストールを改めてアピールしたのだろう(図06)。
同年8月に公開した「BOOT革命/USB Ver.5でUSBハードディスクにWindows 7とWindows 8を導入して、どちらからも起動できる?!」は、持ち運び可能なUSB-HDDに複数のOSをセットアップする手順を紹介する記事。既存のWindows 7環境をUSB-HDDにコピーし、Windows 8をエクスターナルインストールで導入。そして、各Windowsの起動を確認するというものだ。
ちょうど同年6月には最終プレビュー版となるWindows 8 Release Previewがリリースされ、Windows 8に対する注目はさらに高まっていた。既にWindows 8をお使いのユーザーならご承知のとおり、Windows 7/8をデュアルブートするメリットは大きくないものの、Windows XPとWindows 7もしくはWindows 8のデュアルブート環境を持ち運べるのは、大きなメリットとなる。
そして8月末には「BOOT革命/USB Ver.5 でUSBメモリーから起動したWindowsの動作速度を向上させる裏ワザ!」という記事も公開された。同社の「HD革命/WinProtector Ver.4」を利用するというものだが、先の記事で作成したUSB-HDDのWindows環境を補足するために用意されと推測する。そもそも同ソフトウェアは、対象となるドライブへの書き込みを、HDDもしくはメモリ上に作成したキャッシュ領域に書き込むことでドライブの保護を実現している。
この仕組みを利用し、USBメモリから起動したWindowsの書き込み処理をフック(Hook:任意の処理を割り込ませる)し、USBメモリよりもアクセススピードが高速なキャッシュ領域に向けることで、全体的なパフォーマンスが向上するというものだ。さまざまなユーティリティ系ソフトウェアをリリースしているアーク情報システムだからこそ生まれた妙案だろう(図07)。
2012年中は前述したFCD形式ファイルからISO形式ファイルへの変換方法の記事も掲載されたが、最新記事は2013年2月の「HD革命/CopyDrive Ver.5の新機能「MBR<=>GPT変換コピー」を試してみた!」となる。最近は2テラバイト超えのHDDが市場に並び、ディスクのパーティション管理方法として、従来のMBR(Master Boot Record:マスターブートレコード)ではなく、GPT(GUID Partition Table:GUIDパーティションテーブル)が重要視されるようになった。
詳しい説明は割愛するが、2テラバイト以上のHDDを使用するには、初期化時にMBRディスクではなくGPTディスクを選択しなければならない。だが、Windowsの標準機能を使用すると、一度ドライブをフォーマットしなければならないため、データの待避など煩雑な操作が必要だ。そこで同社の「HD革命/CopyDrive Ver.5」を紹介し、MBRディスクをGPTディスクに変換しながら内容をコピーする機能を記事ではアピールしている(図08)。
本記事からパソコンに詳しくないユーザーでも変換作業を実行できるように、YouTubeにアップロードした動画を併用。また、Windows 8からサポートされたSecure Boot(セキュアブート)環境も考慮し、同環境で使用できるWindows PE 4.0起動CDの作成ツールの用意や使用方法も紹介している。ある程度パソコンの操作に慣れたユーザーなら既知の情報になるかもしれないが、Windows PE 4.0環境作成ツールは、コマンドラインの操作を面倒に感じる方なら便利に使えるはずだ。
「アーク革命シリーズ 実験室」で紹介された使用方法は、すべてサポート対象外となるものの、パソコンを詳しく知り、パソコンを便利に活用しようとするユーザーにとって有益となる記事ばかりだ。特に操作を簡略化するために用意された各ツールは、アーク情報システムのソフトウェアユーザーならずとも有用な場面があるのではないだろうか。是非同社のソフトウェアを所有していない方も一度Webページに訪れ、内容を一読してほしい。同社が長年蓄積してきた知識を活用したTips記事は、新たなパソコンの利用方法を刺激的に提示してくれるはずだ。