NTTドコモの2013年春モデルのAndroid搭載タブレット「Xperia Tablet Z SO-03E」がついに発売となった。ひと足先に同じコンセプトで開発されたスマートフォン「Xperia Z SO-02E」とともに、春モデルの注目端末となっている。
今回、Xperia Tablet Zを試すことができたので、紹介しよう。なお、本端末は開発機のため、最終仕様と異なる場合があることをあらかじめご了承いただきたい。
進化したフルHD対応液晶
Xperia Tablet Zは、10.1インチディスプレイを搭載したAndroidタブレット。1,920×1,200ドットの高解像度「Reality Display」を採用し、従来モデル「Xperia Tablet S」と比較し、約2倍の色再現性を実現したという。特に赤と青色方向に再現性を向上させたそうだ。
ハードウェアとしての色再現性の向上だけでなく、ソフトウェアでも色見を細かくコントロールすることで、青空や花の赤色などを鮮やかに表現することができる。より記憶色に近いようなチューニングされているという。
実際、画面表示は色鮮やかで、見栄えがいい。フルHD映像もそのまま表示できる高精細かつ、10.1インチと大型なので、映像視聴時の没入感も高い。写真や映像の閲覧には最適だろう。
液晶パネルは、最近同社のスマートフォンでも採用されている「OptiContrast Panel」を採用。液晶パネル内にこれまで必要だった空気層をなくしたことで、光の反射・拡散を低減し、屋外でも比較的見やすい高コントラストな表示が可能だという。
タッチパネルセンサーと液晶のガラス層を一体化するなど、「現在の技術で極限まで薄くしたモジュールを積み重ねた」(同社)ことで、ディスプレイ自体を約20%薄型化。指でタッチした場所と実際の認識点の”ズレ”が少なくなり、誤操作が減ることも期待できるという。
さらに、指の動く方向を予測する独自の予測フィルタ技術を投入することで、反応が向上しているという。
通常、画面にタッチして指を動かすと、タッチパネルが位置を検出し、CPUが画像を処理、それをディスプレイが表示する――といった動作がタッチ操作に影響する。今回導入した予測フィルタ技術は、画面に触れた瞬間にユーザーの動作を予測することで、実際の指の動きに滑らかに追従するような動作が可能になるという。
これは、例えば設定画面のように、上下方向にしか動かない画面のように、予測しやすいシーンで効果的なようだ。動きは「ヌルヌル」と言うより「キビキビ」といった印象で、動作自体は悪くない。ただ、気になったのが静電容量式タッチパネル対応のタッチペンを使ったときの動作で、MetaMojiのSu Penを含めて3本試してみたが、指とは異なり誤操作が発生した。この辺りは、この予測フィルタかチューニングの問題かもしれない。
ソニーの液晶テレビ「BRAVIA (ブラビア)」で培った映像処理技術をモバイル向けにチューンした「モバイルブラビアエンジン2」も搭載。映像を細かく、リアルタイムに分析してコントラストを拡張したり、カラーマネジメント、シャープネス、圧縮ノイズ向けのノイズリダクションといった画像処理を行うことができる。
本家BRAVIAとは異なり、タブレットの使うシーンを考慮したチューニングを行っているとのことだが、テレビ版BRAVIAと同様にソニー社内の画質評価委員会の基準に従った画質調整が行われるそうだ。映像だけでなく、標準の「アルバム」アプリから起動した画像にも調整が適用される。
ここまで紹介した通りXperia Tablet Zは、その命となるディスプレイに大きく力を入れている。スマートフォンのXperia Zと比べてみても青や赤の深みは強く出ており、傾向は近いが、タブレットならではのチューニングをしているようだ。