2014年4月より、消費税が8%に引き上げられる可能性が高い。そのため、金額の大きいものほど購入時の負担が大きくなり、増税の影響を受けやすい。その代表格としては、「住宅」が挙げられる。
住宅を購入するなら、増税前の今がチャンスといわれているが、だからといって何の予備知識もなしに購入することはできない。どのような手順で、どういう住宅を選べばいいのか考えてみよう。
耐震性を確保すると「何か」をあきらめざるを得ない現状
まずは、住宅選びのポイントについて調べてみた。実際に、住宅購入を考えている人たちは、どのようなポイントを重視しているのだろうか。
ある住宅メーカーが2012年に住宅購入の検討者518人に調査した結果によれば、住宅を選ぶにあたり、「価格」「立地」「広さ、部屋数、間取り」の3大要素に加えて「地震に対する耐震性」を特に重視したいと考えていることがわかった。耐震性に関する重要度は東日本大震災以降、さらに増しており、同調査でも96%の人が耐震性を「とても重視する」「やや重視する」と回答している。
しかしながら、住宅購入者に対し、「耐震性重視のために、ほかの希望条件の中から妥協、あきらめた条件はありますか」と質問したところ、「価格」「広さ、部屋数、間取り」など、「何か」をあきらめがちであることも明らかになった。 耐震性を確保しつつ、希望の住宅を購入することは不可能なのだろうか。理想の家を手に入れるために最適な方法について、住生活ジャーナリストの田中直輝氏に話をうかがった。
ユーザーと信頼関係を築いている会社を選ぶ
――まずは、住宅を購入する手順を教えてください。
田中氏「住宅購入の流れをお話しすると、まずは住むエリアを決めることからはじめます。親御さんから引き継ぐ予定の土地などがなければ、そこからスタートしなくてはなりません。
希望のエリアが見つかったら、家を施工する会社を選定します。そこで具体的に住宅の間取りなどを打ち合わせするのですが、土地探しから依頼するのが一般的です。
その後、ローン契約を結んで、実際に引き渡しになるのは、住宅購入のために動き出してから大体1年以上必要となるケースがほとんどです。
土地探しのポイントについてお話しすると、気になるエリアがあれば、実際に足を運んでみることにつきます。これは一カ所だけではなく、複数のエリアを見て回り、駅や学校までの距離や、周辺環境などを確認したほうがいいですね。
また、地盤の調査などもしなくてはならないので、施工会社や不動産会社、専門家に依頼するのも方法の一つです。とにかく希望の土地を見つけるには時間がかかりますから、それを見越した住まいづくりの検討を行うことが大切です。
家を施工する会社とは、工務店やハウスメーカーのことをいいますが、一社、二社だけで決めるのは難しいですね。実際は、自分の理想に近い会社を見つけようとすると、たくさんの会社の資料を集めたり、話を聞いてみたりしなくてはならないので、情報収集にも時間がかかるはずです。
さらに、2014年に消費税が増税される可能性がありますので、仮に増税された場合は、購入時の課税金額に大きな差が出るはずです。増税前に購入を考えているなら、すぐにでも準備をはじめたほうがいいでしょう」