コスプレイヤーはWindows 8の専門知識を持ったプロ
コミケ83への出展にあたり、日本マイクロソフト側が用意した商品は、15,000円のマイクロソフトのキャラクターが勢ぞろいしている特大紙袋に入った「DSP版Windows 8 Proセット」、20,000円の「KINECTセット」、5,000円の「JINS PCセット」の3種類。
さらに3D漫画作成ツール「コミPo!」が、3Dクラウディアのデータ付きの「コミPo!」を用意。それぞれに専用のノベルティを同梱し、合計で4種類のセットを用意した。
同社ブースには、販売しているセットが紹介されていた |
「DSP版Windows 8 Proセット」のショッパー。「コミPo!」体験版やオリジナルの絵馬、コミケ83限定デザインのクリアファイルなどのグッズも同梱されていた |
販売にあたっては、日本マイクロソフトがエンドユーザーに直接商品販売をすることはないため、パートナー会社と協力して、販売体制を作った。
会場で接客にあたったのは、日本マイクロソフトの有志とプロのイベントコンパニオン。「会場では、Windows 8タブレットを使ったアンケートを実施し、参加者の対応を行った。そのため、単に接客ができるだけでなく、Windows 8に関する質問に答えられるスキルを持ったスタッフを揃えた」(砂金氏)。
クラウド関連のイベントで、クラウディア窓辺のコスプレで登場することで知られる、日本マイクロソフト デベロッパー&プラットフォーム統括本部 クラウドプラットフォーム推進部 テクノロジーエバンジェリストの戸倉彩氏も、もちろんクラウディア窓辺のコスプレで参加者への説明を行った。
実は戸倉氏、「子供の頃からコミケには来ていました」というコミケのベテラン。当日、同社のブースには、他にもアメリカ本社勤務ながら、コミケに欠かさず参戦するスタッフなど、コミケを知り尽くしたスタッフが多数参加していた。
予想を上回る売れ行きとなったキャラクター付き商品の物販
実際にコミケ83が開幕すると、日本マイクロソフトブースの参加者は予想を上回るものとなった。
ちなみに、コミケ全体の参加者数は女性の割合が高いのだが、日本マイクロソフトブースに関しては、参加者はほぼ男性ばかり。これは日本マイクロソフトブースがどんなものなのか、ある程度事前知識を持った参加者が多かったということだろう。
開催前は、「どのくらいの数が売れるのか……」と疑心暗鬼だった物販も、予想を上回る勢いで売れた。
「途中で用意していた商品が全て売り切れてしまいました。急遽、キャラクターが描かれた紙袋に、グッズを詰めたセットを1,000円で発売しましたが、最終的にはそれも完売となりました」(砂金氏)。
この結果から、Windowsを販売するイベントに、新しい可能性が生まれた。これまでは、新しいWindowsの販売イベントでは、例えば秋葉原のPCショップなど、あくまでもITやPC系の領域にとどまっっていたが、キャラクターを前面に押し出すことで、本来のWindowsを販売する場所とは異なる販売場所もあることが示されたのだ。
実は当初計画では、アニメキャラクターを天板に刷り込んだ痛車ならぬ、"痛PC"の販売も計画していたが、タイミングが合わず実現しなかった。この痛PCは、他のグッズに比べれば高価になるため、予約販売となる見込みだったが、これも実際に売られていれば、購入していく人もいた可能性が高い。
もちろん、キャラクター付きWindowsやPCの販売数が、Windows全体の販売市場を揺るがすほどの数となることはないだろうが、「可能性の一つ」であることは示されたのである。
アンケート回答者の3割がIT業界関係者
今回のコミケ出展のもう一つの大きな目的であるアンケート調査は、3日間で約4,000人から回答を取得した。
「当社でも様々な形でアンケート調査を実施しますが、3日間で4,000人ものユーザーから回答を得るのは、これまでにない実績といえます」(砂金氏)。
アンケートはコスプレをしたスタッフが、Windowsタブレット端末を手に行った。アンケートの中にもクラウディア窓辺などキャラクターが登場するので、答える側も楽しくアンケートに答えたのだろうと思われる。
コスプレをしたスタッフが直に、Windowsタブレット端末上で参加者に対しアンケートを実施。左から、クラウディア窓辺/安曇瑠璃/窓辺ゆう/窓辺ななみ/窓辺あい/クラウディア窓辺(戸倉氏) |
イベント終了後、同社ブースに来場したユーザーから、お手製の年賀状が日本マイクロソフト本社に送られてくるという出来事も |
そこで明らかになったのが、コミケ83で日本マイクロソフトブースを訪れ、アンケートに答えた4,000人のうち、32%がIT関連企業に勤務する人という結果だった。また、出展者を含む「クリエイター」が本職であると答えた人が13.7%と、なんらかの形で常日頃PCを使いクリエイティブな作業をする人の割合が高いという結果となった。
「これは、(アニメやゲームの企業ブースが多数出展する中で)日本マイクロソフトブースを目指して来た人だからこその割合といえるのかもしれません。しかし、当初はIT業界の参加者は1割程度と想定していたことに比べると、もう少し高い割合、コミケ参加者全体の2割程度がIT業界の関係者として考えていいのではないでしょうか」と、砂金氏は分析する。
実はコミケ83では12月31日(開催3日目)に、技術系同人誌の販売が行われており、これを目指して出展、参加するIT業界関係者もいるそうだ。アンケートの実績やこうした状況を考えると、確かにコミケはIT業界とも親和性が高そうである。